【エコカー補助金】日本経済にはどんな効果があった?
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
環境性能に優れたクルマいわゆるエコカーを新車で買うと、普通自動車は10万円、軽自動車は7万円、国から補助金がもらえるというエコカー補助金制度。そんなエコカー補助金が、もうすぐ予算が尽きて終了する見通しだ。果たして日本経済にとって意味のある政策だったのか? 三橋貴明先生に聞いてみました
【三橋貴明×清水草一】
清水:僕はつい最近まで、国家財政も家計簿みたいなものだろう! と思ってたんです
三橋:そういう人、多いです
清水:だから借金は早く返さなきゃいけないし、エコカー補助金みたいな生活保護は早くヤメロ!と思っていたんですが、三橋さんの本を読んで、それが大間違いだったことに気づきました
三橋:よかったです(笑)
清水:そこで今回お尋ねしたいのは、もうすぐ尽きて終了する今回のエコカー補助金、あれの効果はどうだったのか? ということです
三橋:わかりました。まず減税や補助金というのはですね、例えば子ども手当みたいにただ配っても、全額貯金されちゃったら、経済効果はまったくないんですよ
清水:いわゆるバラマキですね
三橋:バラマキにもいいバラマキと悪いバラマキがあって、子ども手当は悪いバラマキです。でもエコカー補助金は、クルマを買った人しかもらえませんから、必ず消費が伴う。これはいいバラマキなんです。消費が増えればGDPが増える。2009年のエコカー補助金のときは、2年間で7兆円以上も、GDPを押し上げる効果があったと言われてます
清水:GDPが増えれば、税収も自動的に増えるわけですよね
三橋:増税しなくてもね
清水:今回のエコカー補助金は、予算が約3000億円でしたけど、その間自動車の売れ行きがどれくらい伸びたかというと、対前年比で約50%増。台数では、1~6月で約100万台増えました。1台150万円として、1兆5000億円。最低でもそれだけGDPを押し上げたわけですよね
三橋:そういうことです。でもそれだけじゃないんですよ。
【後編】に続く⇒https://nikkan-spa.jp/270326
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