「痩せは早く死ぬ。小太りが長命」ってホント?
◆現代人が誤解しがちな“食と健康”の知識
「一日一食のような健康法が支持される背景には、“肥満=悪”とする現代人の思い込みがある」。我々が誤って解釈しがちな健康知識を高須克弥氏が詳説。
【誤】健康のためにはやせるべき。太っていたら早死にする
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●普通体形や肥満よりもやせている人が一番短命小太りが一番長生きできる
メタボという言葉が浸透して以降、「太っていると病気になりやすく短命」との考えは常識。次々と新たなダイエットがブームを巻き起こしているが、高須氏にいわせれば「健康は脂肪あってこそ」。厚生労働省の研究班と東北大学研究グループが行った調査でも、その事実は明らかにされている。
いずれも40歳以上の男女を対象に平均余命を分析したものだが、BMI25以上30未満のいわゆる“小太り”体形の人が、一番長命との結果が出たのだ(表参照⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=320176)。
「2番目に長生きは普通体重で3番目は肥満、もっともダイエットに励んだはずのやせている人が、一番短命です。そもそも日本人の死亡原因を見ると、肥満との関連が指摘される心筋梗塞は8%にすぎません。死亡率の高いがんや肺炎といった病気の治療を勝ち抜くには、脂肪の蓄積があったほうが断然有利。長生きをしたかったらやせてはいけないのです」
【誤】肉食化が進んだせいで脳卒中などの病気が増加
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●肉を食べないと血管が細くもろくなってしまい、脳疾患にかかりやすくなる
よく耳にする、「昨今の日本人は肉食化が進んだことで血管にコレステロールがたまり、脳卒中や心筋梗塞が増えた」という説。実はこれ、大ウソだという。
「太い動脈にコレステロールが詰まる脳梗塞は欧米型のもの。日本人に多いのは、動物性タンパク質が不足して細くもろくなった血管が詰まったり切れたりして起こるタイプの脳疾患です。その証拠に、脳卒中の件数は、肉や乳製品の摂取が広まった昭和40年代から一気に低下。弾力性のある丈夫な血管を維持して脳卒中を予防するには肉を食べなきゃダメです」
ちなみに、健康を損ねると忌み嫌われているコレステロールも、実は健康に必要な物質だという。
「血中のコレステロールが少なすぎると、血管壁が弱くなり破れやすくなります。過剰に食べすぎのアメリカ人と違い、日本人はコレステロール値が高い人ほど寿命が長いとのデータもあるのです」
必要以上にコレステロールを避けず、適度に摂取しよう。
【高須克弥氏】
’45年、愛知県生まれ。医学博士。美容外科「高須クリニック」院長。近著に話題の健康法の間違いに鋭く切り込んだ『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)
― アナタが信じるその健康法は間違っている!【1】 ―
『その健康法では「早死に」する!』 あの高須克弥が話題の健康法&ダイエットに警鐘を鳴らす! |
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