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「私は監禁・脱法ドラッグ漬けにされた」被害女性の告白

 痩せ細った体からは衰弱しきった様子が窺える。左腕には無数のリストカットの傷痕が痛々しく残る。体と心の傷が癒えぬまま、A子さん(30代)は異常な日々を振り返る。

「私がどういう状態で助けられたのかも、どうしてここにいるのかも正直、よく覚えていません……」

脱法ドラッグ 10月16日、埼玉県・S市のアパートの2階の一室で、長らく音信不通であったA子さんが見つかった。A子さんの親族らが居場所を突き止め救出したのだ。発見時、A子さんは廃人のようで、覇気もなくベッドに座り、足元にはリストカットでできたと思われる血だまりがあった。薬物の過剰摂取とみられる症状だった。

「部屋にはドラッグや向精神薬と思われる無数の薬物が散乱し、吸引パイプや、薬品の瓶、パッケージ、ポリタンクなどが転がっていました。しかし、借り主のKは直前に逃げ、部屋にはいませんでした。A子が覚せい剤などの違法薬物で薬漬けにされたと思っていたので、すぐに警察を呼んで、検査をしてもらいました」(A子さんの親族)

 しかし、警察はA子さんの尿検査をするが、違法薬物は検出されなかった。現場から逃げた借り主のKは地元の薬局の御曹司で薬剤師。こうした状況にも“確信犯”であったようだ。

 A子さんはそのまま精神科病院に運ばれ、約1か月の回復生活を経て退院。しかし現在でも、後遺症は重く、記憶も途切れ途切れであるが、言葉をふり絞る。

「Kとは数年前、勤めていたキャバクラの客として知り合い、その後、交際するようになりました。私は以前にストーカー被害にあっていたのですが、そのストーカー男がKだと本人から打ち明けられ恐怖を感じました。でも、私も好意を持ってしまっていたので交際を続け、Kが用意したアパートに居着くようになりました。すぐに専用の携帯電話を与えられ、連絡を制限されました。最初、私は興味本位で脱法ドラッグを吸っていましたが、『ほかのもやってみない?』とKに言われ、さまざまなドラッグを一緒に服用するようになりました。その後は、セックスと薬を持ってきて一緒に吸ってくれるKがいないと生きていけない、と思うようになり、丸1日ドラッグをやり続けたこともありました。幻聴が多くなり、このままではダメだと思い何度も部屋を出ようとしましたが、その度にKから『部屋から出ないでくれ』とメールでしつこく懇願されたので、怖かったこともあり、そのまま居続けてしまいました」

 異常な状態のA子さんが発見され、なおかつ薬剤師の免許を持つKが向精神薬などを大量調達した薬事法違反の疑いが見受けられながら、警察は「違法薬物が検出されなかった」ということでKを不問とした。これに対し別の親族男性は憤る。

「聞けば、A子は電話で何度も警察に助けを求めていた。ラリったK本人からも警察に電話があり、実際、警察は部屋にも立ち入ったと認めた。それなのに見て見ぬふり。違法薬物が出なかったからといって、目の前の人間が廃人になるのが見過ごされていいのか!」

 A子さんのケースは氷山の一角だと、とある脱法ドラッグを製造販売する業者は言う。

「効果が覚せい剤に近似したA-PVPという脱法ドラッグがあります。合法にもかかわらず、覚せい剤の3倍の効果。A-PVPは11月15日に規制されましたが、まだ覚せい剤に近似した商品が“合法”として出回っているのが現状です。これをセックス時に使用して女性をハマらせることは簡単で、現実逃避を起こしやすく、ドラッグ使用時が平常の意識だと思い込むようになります。しかもその状態を許容してくれる人に依存するようになるんです。A子さんのケースも典型的といえますね」

 今回のように女性を監禁したり、性奴隷にしたりするため脱法ドラッグを悪用するケースが増えているという。

一体どんな手口で女性たちを“クスリ漬け”にしてしまうのか?

⇒「性行為目的で悪用されるケースが増加」に続く
https://nikkan-spa.jp/339170


取材・文/高木瑞穂
― 「私は監禁・脱法ドラッグ漬けにされた」被害女性の告白【1】 ―





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