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脱法ドラッグ製造業者が告白「人がぶっ倒れて当たり前」

脱法ドラッグに起因すると思しき、事件や事故が後を絶たない。事件にはならずとも、脱法ドラッグ吸引者が街中で奇声を上げて暴れるなどの“奇行”に走り、警察に保護されたり、救急搬送されるケースも多発している。 吸引することで人を狂わせ、果ては第三者に危害すら与える脱法ドラッグ。吸った人間は何を見て奇行に走るのか……。恐怖の実態を探った。

◆「人がぶっ倒れて当たり前」ハーブ業界人が明かす裏話

脱法ドラッグ「俺らは主成分を中国から輸入してきて、それをアルコールに溶かし込み、紅茶の葉っぱとかに付着させて商品を作っています。いわゆる“吹き付け”だけ。半年くらい前から『その程度なら自分で作っても儲かるんじゃないか』と考える愛好者が次々に新規参入してきて、今は競争が激化していますね」

 全盛期は年間約1億円を売り上げていたという、脱法ドラッグ製造業者のA氏(40代)はそう話す。

「そもそも、製造業者では化学式を勉強している専門家などいない。単純に言えば、日本の厚労省の規制に該当しないものを向こう(海外の業者)が調べて送ってきて、調合するだけ。で、自分でテイスティングしながら『コレはシャブっぽくキマるな』、『コレは大麻っぽいな』と思ったら、そういう謳い文句でパッケージして売り出す」

 一方、別の製造業者は脱法ドラッグが多様化した背景をこう話す。

「5年くらい前の出始めの頃のハーブは、大麻なら大麻の効能をマネたもの、シャブならシャブをマネたもの――と、効能別にしっかりと分けられていました。ところが法規制により、それまで使用していた成分が使えなくなったことで、さまざまな薬品を調合するようになった。それこそ、パウダーの成分をそのままハーブにぶっかけたりしている。結果、意図せずして効き目の強いものができた」

◆規制のかかった商品を“プレミアム”で高額取引

 そのような状況を、主成分の輸入元である中国の薬品会社の間では「日本のアヘン戦争」と、笑えもしない冗談で例えているという。

「合成成分を製造する中国の工場のなかには、常用性を持たせるためにシャブの成分を混ぜたりしている業者もある。向こうからすれば売れればいいわけ。実際、日本で人がバタバタ倒れている裏には、そんな事情もある」(A氏)

 また、都内の脱法ハーブショップ店主は“客”の傾向をこう話す。

「ブーム後に脱法ハーブを使い始めた連中は『シャブや大麻なんてもってのほか』と思いながらも、『法律をクリアしているものならば大丈夫だろう』という甘い認識で、加減もわからず使っている。ぶっ倒れるのは当たり前ですよね。でも商売上、われわれも『このくらいが適量です』とは言えない。客を見ていると、毎日買いにくる人は、買いにくるたびに顔つきや目つきが変わってくるんですよ。瞳孔が開いているせいか、どこを見ているかもわからない。ウチの店員には、『脱法ドラッグは絶対にやるなよ』って言っています」

 さらに、規制が強まったことで新たな市場が生まれているとも。

「指定薬物になった商品が業者の手元に残り、ウラで常習者と高額売買されるケースがある。規制されたものは手に入りにくくて、“プレミアム”がつくんです」(A氏)

 当局とのイタチごっこの結果がこれとは、なんとも皮肉な話だ。

― 脱法ドラッグ吸引者が見る「おぞましき幻覚」【4】 ―




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