仕事

究極のストレス解消術は「号泣」すること!?

◆脳ストレスは日常の生活習慣で改善できる!
有田秀穂氏

有田秀穂氏

「かつてサラリーマンのストレスといえば肉体的な疲労からくるものが大半で、これはゆっくり眠って栄養をつければ改善できた。しかし現代は精神的な要因からくるものが多く、脳ストレスと呼んでいます」  そう話すのはストレス研究の第一人者、有田秀穂氏。 「脳ストレスを感じるのは神経伝達物質のセロトニンが不足するから。鬱病と診断されたときに処方されるSSRIはその分泌を促すものなんです」  ではどうすれば、足りないセロトニンを補えるのか。 「まずは適度な運動を日常的に継続すること。ジョギング、ウオーキングなど、単純な反復を繰り返すリズム運動がいいですね。30分のウオーキングで十分。凝り固まった体を動かすことです」  PC、ケータイ。快適ではあるが体を動かさない環境が、セロトニン欠乏に繋がっていたのだ。 「加えて日光を浴びること。セロトニンを分泌するためには2500ルクス以上の明かりが必要です。でも、電灯はたった500ルクス程度。だから、全然足りないんですよね」  晴天下の日光は10万ルクス。少しでも日の光を浴びれば気持ちもリフレッシュするはず。「あとはコミュニケーション。猿の毛繕いや犬をなでる行為をグルーミングと呼びますが、セロトニン活性には特に効果的です」 人間にとってのグルーミングは、赤ちょうちんで一杯やるように、肩の触れ合う距離感で会話すること。家族の団らんも同様だ。「メールやチャットなどネット上でのやりとりではセロトニンは活性化しない。だから、現代人は脳ストレスが溜まる一方なんです」 そして、即効性という面で奥の手として推奨するのは……。 「前頭前野にある共感脳のスイッチを入れればストレスはリセットされますが、それには『号泣すること』が効果絶大です。人間だけが持つ究極の解消術なのです」  切羽詰まったら恥ずかしがらずに泣いてみるべし! 【有田秀穂氏】 東邦大学医学部教授。脳内セロトニンの働きを研究し、脳が元気になる術を提唱する。著書に『セロトニン脳健康法』(講談社)など ― [職場のストレス]を消し去る技術【4】 ―
セロトニン脳健康法

その「つらさ」はセロトニンを出せば治る

おすすめ記事