続発する社内体罰。死に至るケースも……
顧問の懲戒免職が報じられた桜宮高校体罰事件。女子柔道日本代表内での暴力・暴言によるパワハラ事件など、行き過ぎた体罰行為に世間の注目が集まった。まだまだ火種が尽きない体罰問題。それは会社の中にも同様に存在する。これまで、SPA!では横行する社内体罰の現状(※)を追ってきたが、表立って事件化したケースも社会人の現場においては少なくない。
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’11年には、熊本市農水商工局の出先機関で、50代職員が20代職員に対して、新人教育という名目で約2年半という期間、ほぼ毎日喫煙スペースで1時間ほどの正座を強いていたことが発覚した。所長も「指導熱心なのだ」と問題に気づいていなかったという。このほかにも仕事内容に難癖をつけられ、昼食など計100万円以上の支払いをさせられていたという20代職員は精神面にダメージを受け、休職したという。
刑事事件に発展したものもある。’06年には、静岡県の伊豆高原郵便局で、「能力が低すぎて困る」などの暴言に普段から苦しめられていた職員が、同僚から腹部を蹴られ、腹腔内出血を伴う全治4か月の怪我を負わされるという暴行事件が起きた。本件は刑事事件として、怪我を負わせた職員に有罪判決が下ったが、一連の暴力行為のために、被害者はPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症し、現在も治療中だという。
自殺など死亡に至るケースもある。
’04年には埼玉県の北本共済病院で、先輩の准看護師が後輩の准看護師を自殺に追い込む事件が発生した。この病院では、先輩に絶対服従という関係性が構築されており、5人いた准看護師のうち、自殺したのは一番後輩の准看護師だった。仕事中に何かあると「死ねよ」、「殺す」などのメールを送りつけられる。カラオケ店にて、熱いコロッケを口で受け止めるように投げつけられる。無理やり性行為をさせられ、撮影されそうになるなどの被害を受けた。無理な要求を受け続けたことで、死を選ぶまでに追い詰められたのだ。
これらニュースとして報じられたのは氷山の一角にすぎない。まだ恐ろしい社内体罰は隠れているのだ。
― 教育現場よりヒドい![会社の体罰]被害者が叫ぶ悲痛な声!!【3】 ―
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