突然フェイスブックにハマる中高年の不思議
―[オッサンのSNSが気持ち悪い!]―
飲み会などで料理が運ばれ、テーブルに置かれた瞬間、四方からスマホをかざす手が伸びて、やにわに始まる撮影会。あるいは、「Facebookやっておりますので、よろしければ……」なんて言葉を添えられての名刺交換。こんな風景を目にしたこともあるだろう。
『情報通信白書』平成23年度版によると、42.9%の人がツイッターやFacebook(FB)などなんらかのSNSを利用していると回答。一国の首相がFBを使い、自ら「首相動静」を公表しているご時世である。SNSが社会を変えたかどうかは知らないが、すでに“当たり前”のものであることは確か。で、そんななか、やたら元気なのが、どうやらOver40のオッサンたち。
例えば、FB。昨年11月の段階で1670万人超を誇った日本のユーザー数だが、今年に入って1380万人へと激減。特に若い世代のFB離れが著しいそうだが、中年層は変わらぬようで。最近、FBにハマりだしたという40歳以上に話を聞くと……。
「友達申請をして承認してもらえることがうれしいし、私が書き込んだことに、いいね!と言ってもらえるとやはり、気持ちがいいですよ。いいね!の多さは、人々の関心のバロメーターだから」(47歳)
「連絡がとれなくなっていた旧友と再会でき、ン十年ぶりに同窓会を開催。リアルでのつながりも復活することができました」(45歳)
「自分の思っていることをコメントすると、誰かから何かしらの反応があって、そこから友達の輪が広がっていくのが刺激的」(51歳)
「長期失業中でうっかりすると誰とも話していないという一日も珍しくない。社会とつながっていると実感できるツール」(43歳)
とまあ、「人間とは、本能的につながりたい生き物なのです」(マーク・ザッカーバーグ)というのをしみじみ思わされる。とはいえ、だ。
「一日何十ツイートしていても誰からも相手にされなかったおじさんが、ツイッターからFBに移って、『いいね!』やコメントに浮かれて、やたら元気で頻繁に投稿しているのが痛々しい」(29歳・女)
「旦那の上司が友達申請してきて迷惑。断ったら旦那の査定に響くのではないかと……」(35歳・女)
「その人の投稿で埋め尽くされる状態が不快」(31歳・女)
寂しいのか、語りたいのか、暇なのか。SNSでの中年の無邪気すぎる書き込みを寒々しく思っている人は少なくない。ともすると、
「『友達』になっている40歳以上の男性の9割は非表示」(31歳・女)
「SNSって表面上ではつながっていても、ウザければスルーしたり、ブロックしたり、非表示にしちゃうから別に気にならない」(31歳・女)なんてこともあり。
つながりを実感しているのはオッサンばかり、なんてこともあるようで、これこそ、痛々しい。
オッサンのフリみて我がフリ直す契機になれば幸いである。
イラスト/小松 恵
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