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日本株比率の引き上げで、一気に相場は上向くのか?

麻生財務大臣が“予言”していた「6月」に入り、マーケットではGPIFの運用比率の組み替えに注目が集まっている。果たして日本株比率の引き上げにより、一気に相場は上向くのか? 闇株新聞氏が分析する

◆異次元緩和の次なる手は世界最大の年金基金による“異次元”の日本株買いなのか?(ブログ&有料メルマガ管理人「闇株新聞」氏)

麻生大臣

「6月以降に動きが出る」と発言した翌日に開かれた月例経済報告で、麻生大臣は終始にこやか。株高を演じて、してやったりということか……?

 少し前になるが4月16日に麻生太郎財務大臣が日本の公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に関して「6月以降に動きが出る」と発言した。GPIFの日本株組み入れ比率の引き上げられるとの期待から、同日の日経平均は400円以上の急騰となった。

 GPIFは’06年に設立され、昨年末時点で128.5兆円の運用資産を持つ「世界最大の年金基金」である。その次に大きいのがノルウェー政府年金基金の62兆円で、よく株式市場で名前が出るカリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)は26兆円しかない。つまりGPIFは世界の金融市場で「とてつもない存在感」があるのである。

 歴史的に日本の公的年金運用は財政投融資の原資だった名残で’01年頃から自主運用となったものの、日本国債(それも10年以上の超長期国債)を安定購入することがその使命とされてきた。そこへ株式や外貨資産がおそるおそる加わり、昨年末の資産構成は国内債が55.2%、日本株が17.2%、外国債券が10.6%、外国株が15.2%、短期資産が1.8%となっていた。

 ここで仮にGPIFが日本株の組み入れ比率を一気に倍にすれば単純計算で22兆円近い日本株が新たに購入されることになり、昨年1年間の外国人投資家の買い越し額15兆円をはるかに凌ぐインパクトとなる。その「存在感」から、外国人投資家だけでなく日本の機関投資家や個人投資家が日本株に対して一気に強気になり、さらなる株価の上昇が期待できる。

 日本株さえ上昇していれば日本経済は順調であると固く信じる安倍首相は、昨年初めに旧大蔵官僚の黒田東彦氏を日銀総裁に就任させて「異次元」量的緩和を導入させ、今年はGPIFの日本株組み入れ比率を「異次元」に引き上げて日本株を直接上昇させようとしているのかもしれない。それが麻生財務大臣の「6月になれば」発言になり、任期切れとなったGPIFの運用委員を再任せず、4月末には大半を積極運用派に入れ替えてしまった。任期が1年残る慎重運用派の三谷隆博理事長も辞任となるかもしれない。

⇒【後編】に続く http://nikkan-spa.jp/651240

【選者】「闇株新聞」氏
闇株新聞’10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に’11年10月の「オリンパス事件」と’12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事をアップして話題に。’12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。『闇株新聞 the book』も発売中




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