部屋が汚いとうつ病になる可能性がある
片付け、整理術が話題となり、どんどんシンプルな生活をする人が多くなった昨今だが、なんだかんだで捨てるのってかなりの決断が必要。そもそも、どうして人間はモノへの執着から逃れられないのだろうか。精神科医の西多昌規氏がその心理についてこのように語る。
「人間は、所有物から離れることに不安を感じるもの。だから捨てることを怖がってしまうんです」
確かに物流が豊かになり、モノへの依存心が高まった現代ならではの症状といえる。モノが溢れた状態で生活することで、精神に異常をきたす恐れもあるというのだ。
「イライラした経験がある人も多いと思いますが、ひどければうつ状態になることも。そのまま片付けをする気力すら奪われて、症状を重くします。ただ、強制的に片付けることで治るケースも」
医者がもっとも注意深く診るのが、寝室の状態だという。
「うつ病の患者さんで、精神状態がよくない人はベッドの周りが散らかっています。本来、安眠する場所なのにそこにモノが多いと治るものも治りませんから」
精神面の健康を保つためには、まずは休める場所から。さらにもっと安心する空間を手に入れれば、当たり前だが、心に余裕も生まれる。捨てることへの効果は大きい。
「モノを捨てるときに感じる不安は、モノを捨てることで解消されます。人間は、都合がいいように忘れる生き物なので平気なものです」
【西多昌規氏】
精神科医・医学博士。東京医科歯科大学・学内講師。うつ病、睡眠を専門としている。近著に『「器が小さい人」にならないための50の行動』(草思社刊)がある
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