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「彼女が突如ブチ切れ」――それ病気かも?

月経前症候群,PMS「昨日まで楽しそうにしていた彼女から、翌日、いきなり別れを告げられた」「普段、温厚な妻が、残業でちょっと帰りが遅くなっただけで怒り狂った」――そんな経験、だれしも一度や二度はあるのではないだろうか。

「常に怒り狂っている」という人は別として、(なぜ、突然……?)という場合、その原因は「PMS」の可能性が高い。

 PMSとは、「月経前症候群」。生理前の一週間前後から起こる心と体のさまざまな不調のことだ。個人差はあるものの、女性の80~90%は何らかのPMSを経験していると言われている。対して、PMSという言葉を知っている男性は、たったの1割とも……。

 PMSの症状は、イライラ、怒り、抑うつなどの精神的なものから、腹痛、むくみ、吐き気などの身体的なもの、過食や引きこもりなどの行動異常まで、多岐に渡る。「中でも精神症状で悩む女性が非常に多いです」と話すのは、飯田橋レディースクリニックの岡野浩哉院長。

「理不尽なことで怒り出すので、それが原因で彼氏と別れたり、離婚問題にまで発展するケースもあります。女性自身も月経が終わってからPMSだと気づく場合が多く、あとになって弁解しても、それが毎月続くとなると、男性もしんどいですよね」

 実態はどうなのだろうか? 男女50人に、PMSにまつわる体験談を聞いた。

【女性編】

「とにかく過食が止まらない。コンビニでスナック菓子を大量に買い込み、更にLサイズのピザを注文。一人で全部食べて激太りした」(31歳・金融)

「上司のちょっとした一言にショックを受け、席につくと涙が出て、トイレに駆け込む。落ち着いたと思って席に戻ると、また涙が出てトイレへ……というループ」(25歳・広告)

「眠くて眠くて仕方がなく、打ち合わせ中、座ったまま寝てしまった」(35歳・医療)

「やたらとムラムラしてしまい、職場の男性に迫ってドン引かれた」(26歳・出版)

「彼氏がお金にルーズで、日頃の鬱憤が爆発。『今すぐ別れる!』と、泣くわ、喚くわ、取っ組み合いの大喧嘩」(28歳・デザイナー)

【男性編】

「妻に『なんで、コート脱ぎっぱなしなの!』とキレられ、『お前も脱ぎっぱなしじゃん』と言ったら、『わたしはいいの!』と更にキレられた」(35歳・広告)

「彼女と飲みに行ったら、『料理が来るのが遅い!』と、店員にブチ切れ。グチグチお説教が始まり、恥ずかしくて堪らなかった」(26歳・公務員)

「デートに遅刻してきたので、『遅いよ~』と軽く言ったら、『あなたのために化粧して洋服を選んで、それで時間がかかったのに、最低!』と泣き出した」(33歳・コンサルティング)

「今日はなんか機嫌悪いなぁと思うことはよくある。でもそれが生理前だからなのかは分からない」(39歳・飲食)

 男性は、最後の回答が最も多かった。付き合いの長い相手ならある程度は分かるものの、知り合って間もない人だと、生理前だからなのか元々の性格なのか、判断ができない。

◆PMSの判断基準とは?

 PMSの判断基準を岡野院長(前出)に聞いた。「ポイントは、『月経後に症状がピタっと治まるかどうか』です。月経後も続くようだと、PMSとは言えず、メンタルの問題である可能性も出てきます」

 PMSはホルモンの状態が関係していると言われているが、医学的にはっきりとした原因は解明されていないそう。「本人のストレス状況に因るところも大きいんです。PMSで悩んでいたのが、職場を変えたら治ったという人もいます。気持ちが安定していると、月経前でもそれほど症状が現れない場合もあります」

 アンケートの中には、「ただ気分を発散しているんじゃないか」「生理を理由に甘えている」といった男性の冷ややかな意見もあったが、まずは自分が女性へストレスを与えていないか、考えてみることが大切なのだろう。

 そして多くの女性が、PMS後、(あんなにヒドイことを言ってしまった……)(とんでもないことをやらかしてしまった……)と罪悪感に苛まれるので、間違っても、「何様のつもりだ!」などと逆ギレしないよう、温かく見守ってほしいものだ。 <取材・文/尾崎ムギ子>

尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko




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