竹田城だけじゃない!マニアがススメる穴場の名城
鉄道やロケット……少年時代、惹かれてやまなかった世界だ。そんな、「内なる少年」を刺激する話題を、その道の達人が厳選。さらにベスト5も選定してもらった。あの頃の胸の高鳴りが蘇る!
◆全国数万の城から戦国ロマン満載の穴場な名城を選抜【城】
戦国のロマンが漂い、多くのマニアを惹きつけてやまない城跡。最近では、美しい雲海が眼下に広がり、CMなどで「天空の城」「日本のマチュピチュ」と一躍脚光を浴びた竹田城(兵庫県朝来市)に、昨年度は43万人もの観光客が押し寄せ、立ち入り制限がかかったことが話題を呼んだ。しかし、「今や雲海どころか、早朝から溢れる観光客の頭しか見られません。国宝に指定されている城以外にも数万の城跡があり、名城はまだまだあります」と話すのは、これまでに約4700もの城を巡った屈指のマニア・本間智恵子氏。
竹田城そっくりの雰囲気で、しかも駐車場まで完備されているのが、三重県熊野市の赤木城。築城したのは、江戸城の縄張りも手掛け、“築城の名手”と呼ばれた戦国大名・藤堂高虎だ。「とにかく石垣がすごい。山奥になんでこんな立派な城が? さすが高虎さま!」(本間氏)と大絶賛。雲海こそないが、朝もやに包まれた城は、竹田城に負けない趣がある。
同じく石垣でオススメなのが、岐阜県中津川市の苗木城。「自然の岩を利用して、石垣の一部に組み込んでいる」という個性的な山城。眼下に広がる木曽川はまさに絶景。中津川ICからも近く、ドライブスポットとしても最適だ。
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石垣こそないが、土塁や空堀が残る土の芸術品ともいえるのが茨城県茨城町の小幡城。攻め込んだ敵をかく乱するため、入り組んだ城内はまさに迷宮。張り巡らされた空堀を進めど、延々と同じような景色が広がり、あまたの城を制覇した本間さんでも、「図面を見ないと遭難しそう」だとか。さらにマニア度が増すのが、滋賀・福井県境にまたがる玄蕃尾城。賤ヶ岳の戦いで羽柴秀吉と対峙した柴田勝家が本陣を構えた城で、「守りやすく、攻めやすい造りが戦国時代のお手本のような城。見渡す限り続く曲輪も壮観です」(同)と見ごたえ十分。
また、都心から車で1時間の都立滝山自然公園内にある北条氏が築城した滝山城もイチオシ。「3mもの高さの土塁に圧倒されます。技巧の高さは見どころ満載」と東京ドーム10個分以上もの大規模城郭に太鼓判を押す。
「すべて人力で造られた城を見ていると、当時の人はほかにやることがなかったの? と思わず笑ってしまいます。でも500年近く前のものがそのまま残っているのは感慨深いものがあります」(同)
<古城研究家が選ぶ ワクワクが止まらない城 BEST5>
1位「赤木城(三重県)」
ミニ竹田城の雰囲気が漂う築城の名手・藤堂高虎の傑作
2位「苗木城(岐阜県)」
自然岩を組み込む堅牢な石垣、眼下を流れる木曽川の眺望は必見
3位「小幡城(茨城県)」
土塁と空堀に囲まれた迷路は土の芸術品。遭難の可能性も!?
4位「玄蕃尾城(滋賀/福井県)」
柴田勝家が築城した中世城郭の完成形。技巧的な縄張りが光る
5位「滝山城(東京都)」
都心からわずか1時間。都立公園内に広がる大規模城郭
― 少年マインドを呼び覚ます[マニアックBEST5]【3】 ―
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