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考えただけでゾッ!! 黒カビが体内に侵入して病気になる恐怖

カビを放置した水回り、ホコリの積もった床、臭う万年床……「男の一人暮らしなんてこんなもの、部屋が汚いくらいで死にやしない」と思うなかれ。カビ毒には致死率50%、発ガン性などの危険なものがあるという。命あるうちにぜひ掃除を! 【湿気】 小さな傷から黒カビが侵入。患部を切除した重症例も⇒黒色真菌症にかかる可能性
ホコリ

浴室ドアの前は湿ったホコリが堆積

 週1回は掃除機をかけるという後藤守さん(仮名・42歳)だが、部屋の隅に目をやれば、放置された布類や靴箱の上にはホコリがどっさり。明るい場所が苦手で寝室は昼間でもカーテンを閉めっぱなし。窓もほとんど開けないらしく、どこか湿っぽい空気が漂う。  シーツは茶色のせいか汚れこそ目立たないものの、暑がりだという後藤さんの汗を吸い込んで、ヨレヨレの状態。「実はシーツは半年、バスタオルはここ2か月は洗ってません」と、衝撃のカミングアウトも。枕タオルには黒カビと思しき点々が……。「枕タオルは2週に一度は洗ってますが、黒い点はなぜかとれない」と遠い目だ。  さらに、浴室の床や壁を赤カビと黒カビがダブルで覆う。シャワーヘッドにもガンコな黒カビがこびりつく。毎日このシャワーを浴び、2か月洗ってないバスタオルで体を拭いて会社に出掛ける。  キッチンのシンク回りにも黒カビが見事に繁殖。そこに食器洗い用のスポンジを直に置いている。 「この家に越して約10年、ずっとこんな感じです。実は昔からアトピー持ちで、ときどきノドが痛いのと、鼻くそがたまりやすい気がするけど、特に関係ないんじゃ」と笑うのだが……。  この部屋で暮らす危険性について、千葉大学真菌医学研究センターの矢口貴志博士はこう語る。 「ハウスダウストと同じで、カビの胞子を吸い込むことでアレルギー反応が出る可能性があります。また、人間にとって2大危険カビのひとつ、エキソフィアラが皮膚の小さな傷などから侵入して発症する黒色真菌症という病気もあります。最初はかゆみなどの炎症を起こし、そこが潰瘍状に黒くなる。たちが悪いことに治りにくく、患部を切除した例もありますね」  カビの掃除をする気になった暁には、くれぐれもビニール手袋の着用をおすすめしたい。 【矢口貴志博士】 千葉大学真菌医学研究センター所属。千葉大学准教授。微生物物資源分野 バイオリソース管理室長。わかりやすい解説に定評があり、『世界一受けたい授業』をはじめ『スーパーJチャンネル』などテレビ出演も多数 ― [汚部屋]に潜む死に至る病【3】 ―
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