更新日:2014年06月08日 09:15
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たかがカビと侮るな!! カビが原因でガンになることも…

カビを放置した水回り、ホコリの積もった床、臭う万年床……「男の一人暮らしなんてこんなもの、部屋が汚いくらいで死にやしない」と思うなかれ。カビ毒には致死率50%、発ガン性などの危険なものがあるという。命あるうちにぜひ掃除を! 【食べカス】 食べかけ、残り物のカビから発ガン性カビ毒が発生⇒発ガン性物質を食す可能性 部屋 梅雨の季節。食べかけの弁当や晩ご飯の残り物などをうっかり放置などしようものなら、たちまちカビが繁殖してしまうというのに……。  バーテンダーの田中大樹さん(仮名・23歳)の“汚部屋”は、ゴミで足の踏み場もない。そのほとんどはコンビニ弁当や飲料水のペットボトル。食べかけ、飲みかけのものも多い。「何か月前のものかわからない」という冷蔵庫のピザは、チーズに青カビが生え、部屋中にツーンとしたニオイが漂う。  塾講師の菊池健二さん(仮名・30歳)もゴミだらけの部屋で暮らすが「他人に迷惑をかけているわけではないので、このままでもいいかと思う」と楽観的だ。  2人の共通点は、ゴミに埋もれているため、食品の賞味期限切れを認識していないこと。食べカスをうっかり口にしてしまうこともあり、実際、菊池さんは「間違って古い飲みかけの缶コーヒーを飲んでしまい、とんでもない味で噴き出してしまった」こともある。  食べカスに潜む病気のリスクについて、千葉大学真菌医学研究センターの矢口貴志博士が説明する。 「我々はカビが生えているものはまず食べない。しかし、カビは目に見えるものだけではありません。カビは菌糸と胞子で増えますが、普通の菌糸は無色透明のため、知らずに食べてしまうことがあります。昔からよく、『色が変わっているところだけ落とせば食べられる』といいますが、それでは胞子を落としただけで、菌糸は食べている可能性がある。カビにはカビ毒を作るものもあり、アフラトキシンという自然界でもっとも発ガン性が高いものまであるんです」  世界では、カビ毒が原因で家畜の大量死も起こっている。 「’60年代のイギリスでは、カビの生えたナッツを餌として食べた七面鳥が何万匹も死ぬ事件がありました。これは人間にも起こり得ます。カビを知らず知らずに長年にわたり慢性的に摂取した結果、体内にカビ毒が蓄積されることが危険なのです」 「まあいいか」の積み重ねが、知らぬ間に死を招き寄せるのだ。 【矢口貴志博士】 千葉大学真菌医学研究センター所属。千葉大学准教授。微生物物資源分野 バイオリソース管理室長。わかりやすい解説に定評があり、『世界一受けたい授業』をはじめ『スーパーJチャンネル』などテレビ出演も多数 ― [汚部屋]に潜む死に至る病【1】 ―
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