ブラジルの人に日本が勝てるか聞いてみた【レシフェ編】
さあ、ザックジャパン、初陣である。「世界を驚かす」と公言した指揮官と、「優勝しか考えていない」とブチ上げたエース率いる我らがニッポンだが、ブラジル国内ではどういう存在かといえば、正直、わからないのだ。
というのも、実はここまで現地ではあんまり、いやほとんど報道されていない。
セレソン以外で多いのは、グループリーグの対戦国、クロアチア、メキシコ、カメルーンは当然として、やはりアルゼンチン、ウルグアイ、コロンビアの順くらいで南米勢が多い。
欧州ではスペイン、ポルトガルがトップでその次にドイツ、さらにイングランド、イタリア、フランスといったラインナップか。個人ではメッシとクリスチアーノ・ロナウドがそれぞれ圧倒的だ。
韓国もイランも豪州も、ホンジュラスもナイジェリアも見かけない。もちろん、JapaoもKagawaもHondaもだ。
いったい前評判と知名度はなんぼのもんなんだ、ということで直接、日本戦開催都市でロコたちにスコア予想と日本代表について聞いてみた。まずは第1戦、コートジボワールとの試合を行うレシフェ編から。ちなみにコートジボアールはポルトガル語で「Costa do Marfim」と言うらしい。
●「1‐0で日本」(3人)
●「2‐0で日本」(2人)
●「2‐1で日本」(2人)
●「1‐1のドロー」
●「3‐0で日本」
●「3‐2で日本」
なんと日本9勝1分けの圧勝で勝ち点28を獲得である。ただ、おそらく8人くらいは明らかに「日本もコートジボアールもよく知らないけど、日本は好きだし、こいつ日本人だし、これくらいで」という無知と親日がチャンプルーされた、予想というより「模範回答、答えてやっか」的なにおいがプンプンした。
「1‐0」とメトロのレシフェ駅構内で答えたアジャン氏は代表選手23人のリストと写真を見て「これがナショナルチーム、ずいぶんボーイズなんだねー」と言っていたし、トウモロコシ売りのレアンドロ氏は「3‐0だ。トウモロコシ買え。カガワ?知らねえよ」とバッサリだった。トウモロコシも買わされた。2レアル(約90円)だった。堅くておいしくなかった。
さらにレシフェ駅の売店で働くアレックス君は「2‐0」と答えた。理由はなんとなく、だそうだ。もうちょっとなんかないのかよ、と思って他の人に話を聞いてたら、15分後、アレックス君は自分からやってきたのでおお、なんかコメントくれるかな、と期待したら「もう1回、写真撮ってくれない?」とみんな自由で日本代表なんかに興味はないのであった。
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と思ったら、神はいた。ジョズエル氏というマッチョなオヤジは、「2‐0くらいで日本が勝つよ。欧州でプレーしている選手も多いし、よく走るチームだと聞いている」。英語も堪能で、カガワもオンダ(本田)もナガオモ(長友)も知っていた。
さらに、「レシフェは暑いから、コンディショニングが鍵になると思う。キャンプはどこでやってるの? サンパウロ? なんでそんな遠くでやるんだろう。交代枠をうまく使わなければいけないよ」とアドバイスまでいただき、最終的にはなんだか諭されてしまった。
とまあ、レシフェのロコはこんな感じで日本がなんとなーく勝つと信じているというか、ぼんやりイメージしてくれているみたいだ。そのイメージ通りになればいいんですが。がんばれ、ニッポン。 <取材・文・撮影/竹田聡一郎>
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