ブラジルの人に「今度こそ日本が勝てるか」聞いてみた【ナタール編】
コートジボアールにヘッドバッドを2発いきなりくらい、あとがなくなった日本代表。前回のレシフェ編では、現地民10人に聞いて9人が「日本は勝つだろう」と予想してくれた。
そして、あの結果なのでブラジル人の予想はあてにならんのかもしれない。
そんな不安も含みつつ、グループリーグ第2節、ギリシャ戦だ。レシフェよりさらに赤道に300キロ近づいた太陽さんさん、ココナツいっぱい、メヒコとカメルーンずぶ濡れのリゾート、ナタールで10人に聞きました。
「Prever escore Japao vs.Grecia em copa,porfavor(日本とギリシャのスコアは?)」
「1‐0で日本」(2人)
「2‐0で日本」
「2‐1で日本」
「3‐0で日本」(2人)
「3‐1で日本」
「1‐1のドロー」(2人)
「2‐2のドロー」
ここでも前回の9勝1分けに続き、黒星知らずの7勝3分。勝ち点24を荒稼ぎである。
幹線道路で信号待ちの車にブラジル国旗や応援グッズを売りつけていたダニーロ氏は3‐0だとあっさり言い放った。
「だって日本はすげえ金あるんだろ? サッカーの国以外は金のある国が勝つさ。アメリカとかさ」日本やギリシャはサッカーの国ではないらしい。ちょっと悲しいけど、ひとつの真理かもしれない。
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ジダ・デ・ジャルシンというショッピングモールに設置されたFIFAのチケットセンターに「日本vsギリシャ」をはじめ、3試合のチケットを発券に来ていたフィゲレオ氏とジュレマさんは、日本びいきだった。
「日本が勝つよ。本田がよく走るからな。あ、オレの車のことな。わははは」(フィゲレオ氏)
「私たちは日本が好きなの。だから日本を応援するわ。ニッポン~!」(ジュレマさん)
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ナタールの人はどうやらけっこう日本びいきである。ホテルでも「いらっしゃい」「ようこそ」の表記を見かけた。
トドメを刺すのが、同じくチケットセンターにいたフランクリンさんである。
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「日本が2‐0で勝つよ。去年のゲームを観たけど、フィーリングはすごい良かったんだ」コンフェデのことだろう。agilidadeがあった、とも続ける。おそらくアジリティ、敏捷ということだろう。それって日本のサッカーにとって最高の褒め言葉じゃないか。
「あと何よりも……」まだあるのか。この人、すごい日本に詳しくて日本を褒めてくれる。話を聞いていると勝てる気がしてくる。何よりも、何だ?
「ユニホームにぴかしゅーがプリントされると聞いたよ? ぴかしゅーのサポートがあれば絶対に勝てるよ。他には何かキャラクターはプリントされないの?」脱力しすぎて前歯が抜けそうになった。ぴかしゅーとはあの雷小僧、ライチュウの進化前のピカチュウあいつである。
なんでピカチュウが、と苦笑いすると、フランクリン氏は「報道であった」と言い張る。「嘘つけ、ありえない」となおも否定すると「お前は日本人のくせにそんなんも知らないのか。というか持ってないのか。持ってたらくれ」とまくしたててきたので離脱してホテルに戻って「あいつ、しつこかったな。あるわけねえだろ」と検索したらまさかまさかあった。
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5月に発売されていたので、すぐにe‐mailで彼に謝罪したのであった。
フランクリンからはすぐメールが戻ってきて、「気にしてないからいいよ。それよりルフィをユニホームにプリントしたらもっと負けないんじゃないかな」と、日本びいきというかヤツはただのオタクだった。
この街でも日本は愛されている。でもそれは車やアニメといった一部のコンテンツであって、サッカーではまだ人々を魅了していないみたいだ。試合後、少しは見る目が変わるといいな、と願う。もし勝てなかったら、3戦目はピカチュウつけてやるしかない。
さてさて、どうなることか。
<取材・文・撮影/竹田聡一郎>
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