データで読み解く「軍拡する世界」
―[[戦争とカネ]を読み解く世界地図]―
アメリカのイラク空爆、中国のウイグル自治区弾圧、ウクライナの内乱、イスラエルのガザ地上侵攻など、戦争・紛争のニュースが絶えなかった昨今。一部は停戦も進んでいるが、現在も多くの民間人が戦闘に巻き込まれ、殺されていることに変わりはない。こうした争いは宗教や民族対立などが原因といわれているが、その陰には「カネと資源」の問題が潜んでいた!!
◆欧米は軍事費減少するも世界的には軍拡の方向へ!?
世界の軍事費は、事実上年々増加傾向にある。総額だけで見ると’14年は約177兆3000億円と’13年から1.9%減ったが、これは世界の軍事費の4割弱を占めるアメリカがイラク・アフガニスタンでの作戦を縮小した影響が大きい。
大幅増加の中国(前年比7.4%増)、ロシア(同4.8%増)をはじめ、新興国のインドやサウジアラビアなども急速に軍事費を増やした。中国は25年連続で2ケタの伸び率。欧米以外の諸国の軍事費は年々増加する傾向にあり、総額は減少しているながらも世界はむしろ軍拡の方向に突き進んでいるといえるだろう。
2か月にわたる戦闘が終結したパレスチナ自治区ガザへの侵攻・爆撃を繰り返していたイスラエルは総防衛費こそ17位だが、GDPに占める防衛費の割合が5.6%に達する超軍事国家(日本は1%前後)だ。
日本は’13年12月に閣議決定された「中期防衛力整備計画」(中期防)で’14年度から5年間の防衛費を総額約24兆7000億円とすることを決定。民主党政権下で’10年に策定された23兆500億円から1兆円以上の大幅増となる。そして、同時に策定された「防衛計画の大綱」(新防衛大綱)では、陸上自衛隊の定員を今後5000人増やすことになっている。
― [戦争とカネ]を読み解く世界地図【4】 ―
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