テロリストは日本のどこを狙うのか? 集団的自衛権の行使で予測される「最悪のシナリオ」
◆集団的自衛権の行使で国内でテロが発生する
国民の安全に関する「最悪のシナリオ」を紹介しよう。防衛省が安保法案成立を見越して事前に運用資料を策定していたことが発覚したが、その一件でもわかるように法案成立はもはや覆しようがない。集団的自衛権の行使による自衛隊の中東への派遣からなし崩し的にアメリカの対テロ戦争に巻き込まれるのではという懸念の声は大きい。しかし喧伝されるような中東からのテロよりもまずは北朝鮮を警戒すべきという意見もある。軍事ジャーナリストの神浦元彰氏は集団的自衛権の行使によるリスクを次のように予測する。
「自衛隊の派遣についてまず現実的なのは日本近海での北朝鮮籍船の臨検です。北朝鮮がイラクやシリアなどに行ってきた武器輸出は、アメリカがペルシャ湾で臨検をしていましたが、それを東シナ海、南シナ海で日本と米軍が協力して行う形になるでしょう。軍事予算を削減したい米国の依頼を政府は断れない。そこで北朝鮮と日本の対立が悪化する可能性が危惧されます。極度の関係悪化がテロによる報復に発展する可能性は否定できません」
集団的自衛権の行使により米軍の後方支援のみならず、中谷防衛大臣は北朝鮮がアメリカへミサイル攻撃を行った際には日本から北朝鮮へのミサイル攻撃が可能との見解を示している。日本がテロの標的となるのはむしろ必然だろう。ではテロリストは日本のどこを狙うのだろうか?
「原発がテロに狙われるという指摘は的外れ。プロはそんな警備の厳重な場所は狙いません。狙われる可能性が高いのは新幹線です。飛行機のように手荷物検査は行われず、10分単位で発着している過密ダイヤなので、爆弾などを持ち込まれても発見するのは困難です。先日、車内で起きた焼身自殺事件でも明らかなようにセキュリティが極めて脆弱。200~300kmのスピードが出ているなかで先頭車両さえ爆破すれば、後続車両まで被害は及び、大多数の死者が出ます」(神浦氏)
かつてソウルオリンピック妨害のため大韓航空機爆破事件を起こした北朝鮮。先日の韓国への砲撃で朝鮮半島に緊張が走る状況下、経済封鎖を続ける日本がさらに軍事的行動をとれば、“無慈悲な”報復を行う可能性は十分にありうるのだ。
― 2020年日本を襲う[最悪のシナリオ] ―

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