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ゴルフ接待で交渉を有利に運ぶ営業テクニックは違法?

1人の出入り業者によって持ち出された個人情報により、200億円もの損害を被ったベネッセコーポレーションを引き合いに出すまでもなく、いつの世にも、どんな組織にも不良社員は存在する。個人情報や企業情報の漏洩、商品の横流し、収賄にキックバック……その手口はさまざまだ。サラリーマンとして越えてはいけないラインを軽々とまたぐ“脱法社員”の生態に迫った!

◆ゴルフ接待で弱いフリをして勝ち、交渉を有利に運ぶ!

【コンサルタント】北尾陽平氏(仮名・41歳)

【コンサルタント】北尾陽平氏(仮名・41歳)

 商談の行方を左右する交渉力は営業マンには必要不可欠な能力。コンサルティング会社部長の北尾陽平氏(仮名・41歳)は、新規クライアントの獲得にプロ並みの腕前を持つゴルフを活用する。ただし、その手口はヤクザ顔負けだ。

「ストローク数やホールごとの勝敗数で相手企業の担当者とニギる(賭ける)んです。でも、私がハンデ0なのは言わず、ラウンド中は相手の実力に合わせて接戦を装う。そして、最後の3ホールで本気を出して私が勝つんです。金額にすると数十万円の儲けですが、こっちの狙いはコンサル契約を結ぶこと。だから、『今日の勝負はチャラでいいので、ウチと契約してください』って迫るんです」

 その場で交渉が成立しなくても相手企業は賭けゴルフに負けたことで負い目を感じて、その後の交渉で主導権を握れるとか。

「事前に先方の担当者の個人情報を入手しており、ゴルフの力量も把握済み。仮に相手が実力者なら勝負を避けて、別の方法でアプローチすればいいだけの話。今のところは対戦相手の実力に恵まれ、全勝ですけどね(笑)」

 北尾氏は麻雀も得意だそうで、こちらも新規クライアント獲得の交渉で大活躍しているとか。

ゴルフ「大学時代、雀荘でバイトしていて、プロ雀士ともよく打ってました。半荘3~4回の長丁場なら8割方は実力で勝てますね。勝った後の流れはゴルフのときと大体同じです」

 では、もし負けそうな場合はどうするのか?

「ゴルフで林にボールを入れてしまったら打ちやすい場所に球を置き直し、麻雀なら面子に加えている部下とこっそり牌の交換をして手牌を良くします。重要なのは勝負に勝つこと。そのためには手段は問いません」

【コンサルタント】
商社、IT企業を経て、5年前にコンサルティング会社に転職。現在は営業部長として、複数の上場企業を担当。10代の頃はプロゴルファーを目指していたが、同時期に暴走族のメンバーでもあったことは周囲に隠している

<中村得郎弁護士の見解>
賭博罪が成立する可能性もありますが、今回のケースでは自分の実力を隠してゴルフや麻雀をした行為と、コンサル契約を結ぶことは直接的な関係はないと判断されます。趣味を巧みに利用した北尾さんの営業テクニックの一つと解釈できるでしょう

<推定される判決>
無罪(賭博罪は考慮していません)

【中村得郎弁護士】
東京新宿法律事務所代表。労働問題、遺言、相続、離婚など、個人の法律問題を主に取り扱う。http://www.shinjuku-law.jp/

※推定される量刑はあくまでも目安であり、その他の情状事実によって大きく異なります。

イラスト/西アズナブル
― [脱法サラリーマン]の悪知恵白書【4】 ―




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