芸能界一の嫌われ者ドランクドラゴン鈴木拓に仕事が来る理由
ツイッターやフェイスブック、インスタグラム……“いいね!”全盛の昨今、リアル社会はもちろんSNSでの他人の評価や人付き合い、コミュニケーションに悩んでいる人は多い。人付き合いだけならいいけれど、それが会社や学校での日常生活や業務にまで広がってしまう時代とあっては笑ってばかりもいられない。
そんな中、「クズ」「カス」「ゲス」「ゴミ」……等々、日夜浴びせられる罵詈雑言や数々の炎上騒動にも涼しい顔で切り返し、生き馬の目を抜く芸能界をしたたかに生き抜いている“芸能界一の嫌われ者”ドランクドラゴン・鈴木拓さんに、“人生を絶対にしくじらない”処世術を指南してもらおう。
――鈴木さんって、“人間のクズ”“嫌われ者”で通ってるワケですけど、そんな人にも人生哲学とか処世術ってあるんですかね?
鈴木:のっけから失敬だな!! 世間の皆さんは僕のことを嫌われ者って見てると思いますし、そう思っていると思うんです。でもホントのことを言えば、僕くらい「人から嫌われたくない」、もっと言えば「人に好かれたい」と思っている人間はいないんじゃないかと思います。
――意外ですね。てっきり人から嫌われても何とも思わないのかと思っていましたが…?
鈴木:失敬だな!! キミは!! そんなことしてたら仕事貰えないですから。金貰えなくなっちゃいますから。テレビ業界って皆さんが思ってるよりも、もっとずっとスゲェシビアです。競争社会です。一般的に考えてテレビ番組を制作するスタッフさんたちは新しいものが好きな人種です。何回も同じ人間を出していても番組に新鮮味がなくなるだけですから。常に新しい面白い人、面白いことを探してます。まぁ焼き畑農業みたいなもんです(笑)。
――エンターテイメントの作り手側としては当然の考え方ですよね。
鈴木:そんな中では、正直、僕のポジションに入るような代わりの芸人、タレントさんなんていくらでもいますから。「鈴木はこの間、番組に呼んだから、しばらく呼ばなくてもいいだろ」って制作スタッフさんが思ったとします。それがひとつの番組だけならまだしも、「まぁしばらく呼ばなくてもいいだろ」という考えが伝播していくと、仕事って全部なくなりますから。まぁあっという間です。テレビ業界は、どんどん新しくて面白い人たちが現れる場所ですから。もっと言えばそんな戦場のような仕事場では、才能だけではやっていけないですから。じゃあ何が必要かと言ったら、「人に嫌われない」ということが最低限、必要になってくるんです。
――才能よりも嫌われないことが大切なんですか?
鈴木:例えば同じくらいの才能のヤツがいたとして、「好きなヤツに仕事をお願いするか」「嫌いなヤツにお願いするか」と言ったら、絶対に好きなヤツを選びますから。スタッフさんだって人間ですから。嫌いなヤツとわざわざ仕事しよう、なんて奇特な人はまぁいないです。まずとにかく、どんな手を使ってでも「嫌われない」ことから仕事が生まれますから。次に繋がりますから。これはなにも芸人、テレビ業界に限ったことではなくて、根本は一緒だと思います。マンション売ってる営業マンも飲食店の従業員も会社の経営者も、社会に出て仕事しているすべての人に当てはまることだと思います。嫌われなかったら、それだけで新しい仕事、チャンスにありつけますから。まぁ、世間様から「嫌われ者」って言われてる僕にこんなに偉そうに言われたくないでしょうけど。
――でも、冷静に考えると、鈴木さん『笑神様は突然に…』(日本テレビ系)、『アメトーーク』『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)、『ゴッドタン』(テレビ東京系)、『おーい!ひろいき村』(フジテレビ系)……等々、バラエティ番組を中心に引っ張りダコですもんね。最近では朝の連続テレビ小説『まれ』(NHK)にもちゃっかり出演したり。嫌われ者なのに仕事が切れない。「必要とされる」秘訣ってあるんですか?
鈴木:まぁ僕自身、朝ドラの話来たときは正直、「NHK、バカかな」と思いました(笑)。自分の人生や生活に関係ないところ、どうでもいいヤツらに何と思われても何を言われてもいいんです。僕は。全然まったく一切気にならないです。SNSとかインターネット上の評判なんて、まぁどうでもいいですから。好感度なんて、まぁいらないですから。この間もロケ先で親子連れに出くわしたら、「ほら! 見てごらん! “炎上”だよ! “炎上”がいるよ!」ってお母さんが小さい子どもに言ってるんです。僕のことを“炎上”って。「あぁ、また奥さんに肩身の狭い思いをさせるなぁ」とは思うんですけど、でも好感度が鈴木家にメシを食わせてくれてるワケじゃないですから。顔も知らない人に嫌われたって仕事は減らないですから。「まぁ、いいか」って。これは言うなれば、「才能のない者は努力をするな」というのと同じ考え方です。
――「才能のない者は努力をするな」って、『ガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)の“ドランクドラゴン鈴木24時間インタビュー”で飛び出して、またたく間にネットで物議を醸したあの名言ですね。
鈴木:「才能のないものは努力をするな」っていうのは、努力をすることを見極めて「自分を生かせる物事に時間とエネルギーを注ぎなさいよ」「やってもムダな夢をいつまでも続けちゃダメですよ」という意味なんですけど、人付き合いもそういうことです。その人たちとの関係が「自分にとって本当に大事か」の部分を自分で考えて、「必要だ」「大切だ」と僕が思った人たちに対しては僕の全力を出して好かれるように頑張る、もっと言えば「大事な相手から求められてる仕事をこなす」っていうことにのみ注力してますから。それが人生をしくじらない、必要とされるための秘訣といえば秘訣のひとつですかね。まぁ、そうやって金貰えりゃいいかなって思ってるだけなんですけど。
――なるほど。「プロのクズ」なんですね。鈴木さん初の著書『クズころがし』は、そうした嫌われ者による嫌われないための処世術、人生をしくじらないための秘訣が書かれているそうですけど。
鈴木:仕事というものに対しての姿勢だったり人付き合いについての考え方における、まぁ僕の哲学というとおこがましいですけど、これまでテレビでは言ってこなかった本音の部分をかなり明確に書いてますんで、わかる人には「あぁそうか!」ってパッと進む道を示せる内容かもしれないです。でも、人付き合いの仕方とか仕事に本気で悩んでる若いビジネスマンやこれから社会に出ようっていう学生には読んでもらっても意味ないですから(笑)。
――え!? 参考にはならないんですか!?
鈴木:僕がこう言ったり本で書いていても「どうせ自分にはムリだ」「鈴木みたいなクズだから実行できるんだ」って言うと思うんです。そうなったら本の中に何書いてあってもまぁ響かないと思うので、時間と金のムダですから(笑)。会社や学校で人付き合いが充分に上手くいってる人、仕事が順調な人、処世術に自信のある人に読んでもらって、「あぁなるほど」「今までの私のやり方で合ってたんだな」って“答え合わせ”に使ってもらえりゃいいかなと思います(笑)。
<取材・文/日刊SPA!取材班>
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『クズころがし』 炎上芸人、芸能界一のクズ芸人……等々、不名誉な数々の異名を持つ人気お笑いコンビ・ドランクドラゴンの鈴木拓さんが初めて綴った「どんなに嫌われても、そこそこの成功をつかめる」「厳しい社会をしたたかに生き抜ける」処世術!
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