更新日:2022年08月14日 11:22
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中国で蔓延するウイルス性肝炎に注意!

◆恋人同士でもキス後は唾液を吐いて予防!?猛威を振るうウイルス性肝炎でパニック状態 中国衛生部によると、中国のHIV感染者とエイズ患者は合わせて約43万人。しかし、このエイズ大国で、猛威を振るっている別の感染症がある。ウイルス性肝炎だ。 『法制晩報』(12月3日付)によると、隣接する安徽省渦陽県と河南省永城市で、C型肝炎の集団感染が発生。子供を中心に200人以上で陽性反応が出た。原因は、現地の診療所で注射針が使い回しにされていたことだったという。 また、『南方都市報』は、甘粛省に村人のほとんどがB型肝炎に罹患している「肝炎村」が存在すると報じた。70世帯が暮らすその村では、数年前からB型肝炎が流行したが、 肝炎治療が行える医療施設がないという。毎年、肝炎による死者を出しているほか、肝炎を苦にした自殺も起きているという。 一方、食べ物から感染する事例も報告されている。『魯中晨報』(12月11日付)によると、山東省では犬肉を食べた後、肝炎を患う例が増えているという。肝炎ウイルスを持った犬や病死した犬の肉が市場に出回っていることが原因とみられるが、中国の伝統食すら安心して食べられないほど、肝炎の危険は身近に潜んでいるのだ。 広州市の日系メーカーに勤務する安岡栄太郎さん(仮名・34歳)も、中国ならではの場所で肝炎に感染してしまった。 「腰を痛めて鍼灸院に通っていたら、直後にB型肝炎に感染したんです。どうやら使い回しのはりで感染したらしい……」 衛生部が昨年7月に発表したデータによると、ウイルス性肝炎に感染する人は毎年130万人にのぼり、B型肝炎ウイルスの感染者はなんと9300万人にも達しているという。国民の14人に1人がB型肝炎ウイルスの感染者という計算になる。 猛威を振るう肝炎に対し、中国人は独自の予防策を講じている。 広東省東莞市のメーカー勤務・高島功夫さん(仮名・36歳)の話。 「日本人は、中国の売春婦にキスを拒まれたり、フェラの後『カーッ、ペッ』と唾を吐かれて傷つくことが多いんですが、あれは実は肝炎の感染予防なんです。恋人同士でもキスの後、唾液を吐き出す人が多いんですよ」 だが、肝炎をめぐっては妙な社会問題も引き起こしている。武漢市の運送業・武智義文さん(仮名・34歳)の知人は、あえて肝炎に感染しようとしているというのだ。 「知人の会社は、大規模なリストラが予定されていた。そこで、彼は置き屋で小姐のアソコを舐めて回るという行動に出たんです。実は中国ではB型肝炎患者は労働法で保護されていて、解雇することができないそうなんです。売春婦の3人に1人はウイルス性肝炎だと言われているので、必至に感染しようと考えたんでしょう。結局、彼は感染前にリストラされてしまいました・・・」 国民病とも言えるウイルス性肝炎について、中国在住のフリーライター・吉井透氏はこう話す。 「HIVばかりがクローズアップされていますが、死者数ではウイルス性肝炎もいい勝負です。また、中国で死因第2位の肝臓がんの患者のうち、約9割がウイルス性肝炎を経験しており、それらを合わせると感染症のなかではトップクラスの死亡率を誇っています」 感染したくなかったら、この国には近づかないのが吉かも!? ◆中国激ヤバ感染症トップ5 HIVやウイルス性肝炎以外にも、この国には危険な感染病が数多く蔓延している。中国渡航予定者は要注意だ! 肺結核 発症者数はインドに次いで世界第2位。最近では、抗生物質が効かない耐性菌も出現しはじめているという 手足口病 08年頃から、毎年6月前後に乳幼児の間で流行する。年間500人ほどの死者が出ている怖い病気なのだ アメーバ赤痢 下水道設備が整っていない農村などで流行中。ウイルス性肝炎や結核と並び、法定伝染病に指定されている 狂犬病 ペットブームの陰で、ワクチン接種が普及しておらず、死者も多い。対策として野良犬撲殺作戦も実施されている ダニ感染症 ダニが持つウイルスで。痙攣や嘔吐などの症状が出る。’07年には全国で100人近くの死者を出している 週刊SPA!連載 【中華人民毒報】 行くのはコワいけど覗き見したい――驚愕情報を現地から即出し <取材・文/奥窪優木>
1980年、愛媛県生まれ。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国に渡り、医療や知的財産権関連の社会問題を中心に現地取材を行う。2008年に帰国後は、週刊誌や月刊誌などに寄稿しながら、「国家の政策や国際的事象が末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに地道な取材活動を行っている。2016年に他に先駆けて『週刊SPA!』誌上で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論の対象となり、健康保険法等の改正につながった。著書に『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社刊)など。最新刊『ルポ 新型コロナ詐欺 ~経済対策200兆円に巣食う正体~』(扶桑社刊)発売

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