ブスと叩かれた私が、整形で別の顔になるまで。壮絶2か月の全記録/yuzuka
Twitterフォロワー11万人というコラムニストのyuzukaさん。2冊の著書も生きづらい女子たちに熱く支持されている。
今まで顔を隠していたyuzukaさんだが、なんと整形して顔出しすることを決意。その一部始終をフォトレポートする。元看護師で、親との確執、夜の仕事、彼氏のDVなど濃い体験をしてきたyuzukaさんは、一体なぜ整形をしたのだろうか?
(以下、yuzukaさんの寄稿)。
「整形しよう」そう決める理由となった出来事は、ふたつあった。
1つは道端でナンパを無視した時に言われた「ブス。俺にだって選ぶ権利があるから」という言葉。それからネットに私のLINEのアイコンが流出した際に書かれた「ブスで幻滅した」「こんなにブスなのに恋愛について書いてるの?」「ブスのくせに出しゃばるな」といった具合の誹謗中傷だ(細かい内容は覚えていない)。
大したことのない言葉である。だけど、大したことのない言葉こそ、人の人生を変える。親しい仲間は口を揃えて「気にしないで」と言った。それでも私の歪んだコンプレックスは、本当にどうでも良い奴らが起こしたほんの数回の出来事で、激しく存在感を増していった。
2つ目の理由は、私の職業の特殊性だった。作家や恋愛コラムニストとして記事を寄稿するだけではなく、インフルエンサーとして表に立つことや、商品のPRを頼まれることもある。そんな経緯もあり、仕事が増えれば増えるほど、顔を出さないことをつっこまれた。
「どうしてずっとマスクをしているんですか?」
「……ブスだから」なんて言えるはずがない。言ったところで、「褒め言葉待ちでしょう」なんて言われて、余計に嫌な思いをするかもしれないからだ。
聞かれることにも疲れて、顔を隠すのにも疲れた。だけど顔を出せば、批判的なコメントが殺到して、もっと追い詰められる可能性もある。
悩みは極限に達していて、それと同時に、全てのことに対して「私がブサイクだからだ」と、顔のせいにする自分の愚かさにも付き合いきれなくなっていた。
だから、思い立ったのだ。もうこの言い訳と決別しよう、と。整形して、少しでも自分に自信が持てれば、この卑屈な性格も改善されるかもしれないとも思った。
思い立ってからは早かった。執刀医は、鼻の症例で有名な表参道スキンクリニック表参道院、上原恵理先生(@dr_uehara)に決めた。彼女のインスタグラムのポストに感銘を受けたことと、他の医院には断られた手術中の密着を、全面的にお許しいただけたことが決め手だった。
ここからは、手術終了までの記録を、日記感覚でアップする。いま美容整形を考えている人に、少しでもリアルを知ってほしいからだ。グロテスクな画像もあるので、「閲覧注意」の画像は、自己責任でご覧いただきたい。
ここにあるのは、私の美容整形に関する全記録である。
1回目のカウンセリングでは、正面左右から撮られた自分の醜い写真と向き合いながら「どこを修正するか」を担当ドクターと話し合っていく。
多くの人はそれなりのコンプレックスを抱えて整形手術に挑むので、自撮りや鏡で見た自分とさえかけ離れた「現実の姿」と向き合うこの瞬間も、結構ツラい。
多くの人は自分の理想の顔に近づくための資料を作っていく。私の場合は美容外科でのオペナースをかじっていた自分の経験から、必要そうな施術を提案し、上原先生と擦り合わせていった。ここで、どこにどんな施術を施すのかが決まる。
私の手術内容は、以下だ。
【目】
二重埋没法→奥二重なので、二重の幅を少し広げる
目頭切開→蒙古襞を切除し、離れた目を近づける
【鼻】
鼻骨切幅寄せ→鼻根の骨を切って寄せ、幅広い鼻の付け根をコンパクトに整える
プロテーゼ→鼻の根元が極端に低いので、その部分にプロテーゼを入れる
鼻尖形成→耳介軟骨を耳の裏から切り取り、鼻先に移植してダンゴ鼻を修正する
鼻翼縮小→大きな鼻の穴を切って貼り付けて小さくする
【輪郭】
「mint wink2」と「Ncog」と呼ばれるトゲトゲした溶ける糸を頬の内側に挿入して引っ張ることで、たるみをひきあげる。もともと私は頬骨の出っ張りが気になっていたのだが、大掛かりな骨切りの前に、まずはたるみを引き上げてフェイスラインを整えようという話になった
合計298万7600円。
内訳は上原式 埋没法(98,000円)、目頭切開(250,000円)、鼻尖形成(350,000円)、耳介軟骨移植(200,000円)、鼻プロテーゼ(500,000円)、鼻骨骨切り幅寄せ(600,000円)、鼻翼縮小(300,000円)、ミントⅡウィンクリフト片側2本+N-cog片側4本(初回価格298,000円、いずれも税抜き)。ここに麻酔代などが別途加算される。
オーダーは「THE 整形顔にはなりたくない。ブスな部分を削ぎ落とすように、適切に治療してほしい」。なんとも難しいオーダーだなと思うが、上原先生は「最近そういうオーダーが多いんですよ」と笑った。
表参道スキンクリニックの場合、慶應義塾大学病院で事前検査を行う。私の場合は鼻のレントゲンや、心電図だ。
ここでも紹介状代1万円と、検査費用がおよそ2万円程度かかる。私の勤めていたクリニックでは骨を切るときすらレントゲンを撮っていなかったのだが、冷静に考えてみると、ぞっとする。
検査結果を元にもう一度、手術についてのカウンセリングを行う。ここで発覚したのだが、私の鼻の骨はいつのまにか折れていたことがあるらしく、左右差があった(絶対にあのDV男のせい)。
そのため、その左右差も治療しながら形を整えていく必要があるという。レントゲンを撮らない病院は、こういうことも確認せずにオペをしていると考えると怖くなった。
この時にプロテーゼの型取りも行う。先生と相談しながら、「そんなに高くないほうが良い」みたいなことをリクエストしながら大体のイメージをすり合わせて行く。
カウンセリングが終わった後、カウンセラーさんと全ての施術内容を確認、お互いに同意し、手術費を支払った後、血液検査(自費1万円)を行う。HIVやC型肝炎などの感染があった場合、手術中の対応が変わってくるためだ。
ここまでが、手術当日までの流れである。私はこれらを手術1か月前に行ったので、そこからいろいろと心境の変化もあったのだが、それらは後編の対談で語ろうと思う。
全身麻酔を行うため、手術前日から絶食、2時間前からは絶飲食だ。近くのスターバックスでマネージャーと密着のカメラマンと打ち合わせをしたが、うっかりスタバのラテを飲みそうになった。危ない。
軽く打ち合わせを済ませた後、そのままクリニックに向かう。当日はあいにくの雨模様。
洗顔をして、「今までの顔、さようなら」と鏡に話しかける。
手術室に入ると、執刀医によるマーキングが始まる。
このあたりから初めて「整形するんだ」という実感が湧きはじめる。
私の場合、局所麻酔(起きた状態)で目の手術を行った後全身麻酔を、眠った状態で鼻と輪郭の手術を行う。全部を寝たままで行いたいと少しゴネてみたが、目の手術は開閉を確認しなければできないという上原先生のこだわりだそうだ。
だけどよく考えたら、瞼(まぶた)の開閉の確認もしないで二重の手術をするなんて、これまた恐ろしい。そんなことをする医師がいるから、「全切開しすぎて瞼が閉じなくなった」という失敗例が後をたたないのでは……。と、勝手に全国の女子を心配する余裕が、この時はまだあった。
当たり前だが、痛い。麻酔をさされた瞬間にようやく、「あ、私、整形するんだ!」と実感が湧き、緊張状態になる。血圧が上がると出血量が増えるのに、心拍数も血圧もうなぎのぼり。大好きなコロチキのナダルを想像して気持ちを落ち着かせようとするが、無駄だった。
「瞼の裏にも麻酔するってどんな感じなの?><」と、整形する必要のなさそうな女の子によく聞かれるが、こんな感じです。
ちなみにこの時、瞼に力を入れると後々内出血や腫れがものすごいことになるので、腕を思いっきりつねって顔面の力を抜くという方法を使ったのだが、そのせいで腕があざだらけになって今も痕が残っている。
とは言ったものの、私は割と注射の痛みには強い。では、何がそんなにツラかったかって、瞼をひっくり返される違和感が不快すぎてたまらなかったのだ。あれはもう、体験してみないと分からないと思う。
しかも瞼をひっくり返されるたびに光が目に入って眩しいし、針が迫ってくるのが見える。最悪だった。
痛みレベルは、歯医者の麻酔を目に刺されると考えれば想像がつきやすいと思う。「痛かったですか?」とよく聞かれるが、痛くなかったら多分人間じゃない。上原先生いわく「目頭切開の麻酔はかなり痛い」とのこと。
「ブスのくせに」と叩かれて
顔を隠すことに疲れてしまった…
【術前の流れ】1.カウンセリングで約300万円の施術を決める
2.大学病院へ術前検査に行く
3. 2度目のカウンセリングと血液検査
【手術当日】1.洗顔後、着替えてマーキング
2.麻酔する。まぶたの裏に注射を…
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