通学中の電車で突然「若者は外に出るな」マスク警察の恐怖
緊急事態宣言の延長に伴い「マスク警察」や「自粛警察」などの存在が、ますます注目を集めている。
自身の恐怖体験を話してくれたのは杉本祐さん(仮名・30代)。田舎に住んでいるため、食材を揃えられるスーパーは一軒しかないという。
「小さくても田舎特有の人間味溢れるスーパーなのですが、その日は、都心からの帰省客も多く、見慣れない人たちに圧倒されていました」
杉本さんは「自粛しないんかい!」「田舎に帰省かい!」と内心ツッコミを入れていたという。
「私には4歳の息子がいるのですが、買い物をしていると『お父さん、少し疲れちゃった』と言うのです」
スーパーに入るまでの待ち時間が長かったにも関わらず、文句も言わずに頑張った息子に「少し外で休もう」と顔馴染みの店員に断って休憩することにした。息苦しそうにしていたマスクを外し、2人で愛用の仮面ライダーの水筒でお茶を飲みながら談笑していた……そのとき、事件は起きた。
「普段、田舎では見ないような派手なおばさんが、私に向って『おい!』と言うのです。振り向くと『なんでマスクしていないんだ! しかも小さな子どもまでマスクさせないなんて頭がおかしい! とにかくおかしい! 子どもを連れてさっさと帰れ!』と大声で叫び出したのです。
さらに、その娘だと思われる小学校高学年くらいの女のコまで『マスクしろ! 手には手袋しろ!』と追い討ちをかけてきました。息子は完全に怯えてしまって、私も突然の出来事に頭の整理ができませんでした」
約2~3分間の出来事だったという杉本さん。そこに夫と思われる男性が現れ、頭を下げながら車へ連れて行ったという。まわりからは「変な人に絡まれたね」と声をかけてもらえたようだ。
「まだ買い物は残っていたのですが、その場には居づらくなり、帰ることにしました。息子が『幼稚園でもああいう人がいるけど、かわいそうだね』と悟ったように言っていました」
これまでに経験したことのない「コロナ」というストレスに限界を感じている人が多いのだろうか。他人に八つ当たりしたところで、ウイルスがいなくなるわけではないのだが……。今回は「マスク警察」や「自粛警察」から受けた理不尽な思いや、恐怖を感じたというエピソードを紹介する。
子ども相手にも容赦ない「マスク警察」
恐怖の3分間、怯える息子
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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