「転職したい中高年」がChatGPTを勉強すべき理由
人生100年時代。「人生最後の職場を探そう」と、シニア転職に挑む50、60代が増えている。しかし、支援の現場ではシニア転職の成功事例だけでなく、失敗事例も目にする。シニア専門転職支援会社「シニアジョブ」代表の中島康恵氏が、シニア転職現場のリアルを紹介する。
ChatGPTの登場が各方面に衝撃を与えているのはご存じの通り。画像生成AIが登場した時点で「いよいよAIが人間の仕事を奪うのでは?」との懸念が膨らんでいたが、ChatGPTの登場に、いっそう懸念を強めた人は多いはずだ。
Googleも5月16日現在、既に自社の生成AI「Bard」の試験運用を開始し、生成した文章をGmailやGoogleドキュメントへとエクスポートすることもできるようになった。今後の文章作成や帳票管理の業務は、生成AIを用いた形へと急速に変化しそうだ。
こうした状況を受け、最近にわかに、こんな質問を受けることが増えた。「ChatGPTなど生成AIは、中高年の仕事を奪うのではないですか?」と。
この質問の回答は難しい。人材紹介や求人サイトを運営し、中高年の就職・転職を支援している私への質問なので、「生成AIの登場で中高年の求人はこんなに減るかもしれません」という回答を期待しているかもしれないが、求人数への影響はすぐにはないだろう。
とはいえ、生成AIによって様々な仕事は消えていくはずだ。「職」はなくならないかもしれないが「仕事」は消える。言い換えれば「作業が消える」ということだ。
例えば文字データを入力して整理し、デザインを作って、資料をまとめているような作業はなくなっていくはずだ。AIに指示を出す・プロンプト(指示文)を入力するだけで済むようになるだろう。
「職種」の名前はそのままでも、作業内容が急速に変化し、これまでとは勝手が違うので評価指標も変わる。そんな変化がかなり短い期間で起きても不思議ではない。
そして、変化に対応できない人の未来が明るくないのは言うまでもない。
生成AIの進化で「職種」は消えずとも「仕事」は消える
1
2
50代以上のシニアに特化した転職支援を提供する「シニアジョブ」代表取締役。大学在学中に仲間を募り、シニアジョブの前身となる会社を設立。2014年8月、シニアジョブ設立。当初はIT会社を設立したが、シニア転職の難しさを目の当たりにし、シニアの支援をライフワークとすることを誓う。シニアの転職・キャリアプラン、シニア採用等のテーマで連載・寄稿中
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ