ラーメン店の「18歳未満入店お断り」掲示が炎上。“2年で数千万赤字”を乗り越えた店主の想い
飲食店を経営していると避けられないのがクレーマーや迷惑客への対応。2018年、福岡県八女市にラーメン店「あなたの心を鷲掴み」をオープンさせた三浦隆寛氏(38歳)も、店が軌道に乗りはじめた直後から迷惑客との攻防戦が続いている。
三浦氏がラーメン業界に飛び込んだのは、18歳のとき。ラーメン店を含む飲食店をいくつも展開する会社で働き、20代前半には店長に抜擢された。優秀な売上成績も残し、会社のトップとして活躍するなど、若い頃からラーメン漬けの日々を送っている。
「2013年には、日本一のとんこつラーメン屋になることを目標に掲げ、僕の母を代表として株式会社三浦ファミリーを設立。同年、地元の宮崎県宮崎市で『とんこつラーメン天頂(てっぺん)』をオープンさせました」
その後、開業や運転資金として借り入れていたお金をすべて返済。「とんこつラーメンで日本一になるためには、やはり本場の博多で勝負したい」との思いから「とんこつラーメン天頂」を閉め、2018年6月に福岡県八女市で新しくラーメン店をオープンさせた。店名は、商標登録が可能だった「あなたの心を鷲掴み」へ変更している。
「宮崎の店で資金を蓄えて、満を持してのオープンだったのですが、お客さんがまったく来てくれない。オープンから2年で何千万円という赤字をこしらえてしまいました。おいしいかどうかを決めるのはお客さんですが、オープン当初から味は評価されていましたし、自信もありました。ラーメンスープ1杯に使う豚骨は、約1キロ。油も塩も加えません。水・骨・醤油だけで、あっさり系から超濃厚まで提供しています」
「まずは味を知ってもらうまでが大変だった」と三浦氏。さらに、やっと来てくれたと思ったお客さんからも激しく批判されるなど、心が折れるスタートだったという。
「当時は僕と同じ厨房にいた妹が、お客さんから『こんなの、とんこつラーメンじゃねぇ!』と言われたこともあります。さらに『〇〇や〇〇みたいなのがとんこつラーメン。あいつ(店長)は勉強してるのか?』『こんなの、とんこつラーメンじゃねぇ。すぐ潰れる』とも言ったそうで、妹は僕以上に悔しがっていました。そんなの、僕に直接言えという感じですし、嫌がらせで来ているのかと思ってしまいますよね」
三浦氏は自身が運営するYouTubeやTwitterなどで本音をズバズバ発信し、さらに迷惑客対策のため店に掲げた「代表待ち・割り込み禁止 見つけ次第即退場」「18歳未満入店お断り」というルールがSNSで炎上した経験を持つ。なぜそこまでして迷惑客対策に取り組むのか、三浦氏に話を聞いた。
とんこつラーメンで日本一になりたい
「こんなの、とんこつじゃねぇ!」「すぐ潰れる」
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意
記事一覧へ
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ