教員の給料を時給換算してみたら“驚きの結果”に。勤続年数によって「最低賃金を下回る」場合も
教員という職業は、世間一般で「安定した職業」として知られています。給与面でも、民間企業に比べて一定の水準が保たれていると言われますが、その実態はどうなのでしょうか?
特に、長時間労働が常態化していると言われる教育現場では、給与を時給に換算すると、その実態が見えてきます。今回は、教員の給与を実際に時給換算し、その現実を考察してみます。
まず、教員の給与体系について簡単に説明します。公立学校の教員であれば、地方公務員としての給与体系が適用され、基本給の他に各種手当や教職調整額、ボーナスが支給されます。
総務省「令和5年 地方公務員給与実態調査結果の状況」によると、公立の小・中学校教員の月給は平均して約40万円程度となっています。
文科省「公立学校の教育公務員の勤務時間等について」には、「都道府県及び政令市において、1日当たりの勤務時間は7時間45分とされている」と記載があり、実際の教育現場の服務規定もこのようになっています。
私の勤務校でも、決められた勤務時間は8:15~16:45(休憩12:15~13:00)でした。
月給40万円で、1か月間(20日)、毎日7時間45分働いた場合の時給を計算してみると、時給2581円になります。勤務時間通りに労働した場合ですが…
一方で、実際の教員の労働時間は非常に長いです。勤務時間通りで済むことはほとんどありません。
文部科学省の調査によると、小学校教員の平均勤務時間は1日10時間45分、中学校教員は11時間となっています。(文科省「教員勤務実態調査(令和4年度)集計【速報値】」より引用)
規定の勤務時間7時間45分から、1日あたり3時間もオーバーしていることになります。20日で60時間分、規定を超える労働をしていることになります。
さらに、部活動の指導や家庭訪問、校外活動の引率など、授業以外の業務も多岐にわたります。その結果、月間の労働時間は軽く200時間を超え、300時間近く労働することもあります。連合総研の調査報告(2022年)によると、教員の1か月の労働時間は293時間46分にも及ぶとのことです。これをもとに、教員の月給を時給に換算してみましょう。
勤務時間通りであれば時給2500円程度
月の労働時間は300時間を超えてしまうことも
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勤続10年の元小学校教員で、現在は民間企業人事部に勤める。会社員・副業ブロガー・Webライターの三刀流で働きながら、教員の転職・副業・働き方改革について発信中。「がんばる先生を幸せにする」のがモットー。X(旧Twitter):@teach_happiness
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