更新日:2025年01月09日 11:59
ライフ

30周年を迎えた“あの定番おやつ”はクッキー界の『孤独のグルメ』だった!?

 2025年1月には映画化も決定している人気食マンガ『孤独のグルメ』と、老若男女から長年愛されてきた森永製菓の「チョコチップクッキー」。実はどちらも誕生から30周年を迎えた、いわば食文化界における同期である。 「甘いものが好きな五郎さんに、ぜひチョコチップクッキーを召し上がっていただきたい!」という、森永製菓のマーケティング担当者の熱いラブコールに応え、特別コラボが実現!
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実は“同期”の『孤独のグルメ』と「チョコチップクッキー」

 『孤独のグルメ』原作者の久住昌之さんが森永製菓を訪問し、ビスケット・スナック開発グループの主任研究員・園田哲也さん&菓子マーケティング部の中原仁さんと、チョコチップクッキーを食べながら、お互いの30年の歩みを振り返ってもらった。
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森永製菓のオフィスを訪れた久住さん。キョロちゃんにも会えた

30年のロングセラー同士。どんなきっかけで誕生したのか!?

 1994年、時を同じくして誕生した異色の食漫画と森永製菓「チョコチップクッキー」。両者はどんな時代背景のなかで生まれたのか? 対談が始まると早速チョコチップクッキーをひとつ開封する久住さん。 久住:うん、いいですね。安定の美味しさ。あらためて食べると、思ったよりもチョコの量が多いですね! 割合とか決まっているんですか? 園田:詳細な割合は、一応企業秘密ということで……お許しください(笑)。 久住:なるほど(笑)。口の中で歯が感じるチョコの存在感と軽い感じのクッキーの噛み心地、この絶妙な「食感の違い」がいいですね。 中原:五郎さんは下戸で甘いものが好きという設定ですが、久住先生は普段から甘いものは召し上がりますか? 久住:ずっと書き物の仕事をしていると欲しくなります。『ちょっと甘いもの入れようかな?』って、お茶や紅茶を淹れて食べますね。ただ、ちょっと食べれば満足するので、一つ買うと長持ちしすぎちゃって(笑)。だから、個包装はうれしいですね。 中原:実は1998年から今の形(個包装)にリニューアルしています。発売当初は、個包装ではなかったのですが、核家族化や少子化が進み、家族の形も変わってきましたので、変更したんです。 久住:時代に合わせて少しずつ変えているんですね。
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孤独のグルメ原作の久住さんと語り合う、森永製菓の中原さん(中)園田さん(右)。話してみると共通点の多い「チョコチップクッキー」と『孤独のグルメ』

中原:そんななか30周年を迎えたのですが、「チョコチップクッキー」の魅力を新しい視点で伝えていただける方に食べていただくプロモーションを展開したいと考えていたんです。 そんなときに、もともと『孤独のグルメ』ファンでもあったため、「そうだ、井之頭五郎さんだ!」と思いついて、ダメ元でご依頼したら、なんと『孤独のグルメ』も30周年だとうかがって驚きました。

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お互い「普通に美味しい」で30年間やってきた

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30年前(左)と現在(右)…ともに30年続くロングセラーだ

久住:連載を開始した当時は、イタメシ、アッシー君、メッシー君なんて言葉が流行っていたころ。まだバブルの名残があって世間は高級グルメブームに沸いていました。僕はそういうのになんの興味もなかったけど(笑)。そんなころに、ある日男性の編集者がふたりでやってきて、「ああいうグルメブームと無関係な食べ物マンガを書いてほしいんです」と頼まれたんです。 「女をくどける店はここだ!」みたいなグルメ記事は大っ嫌いだったし、そんな店知りたくもないと思っていたので(笑)、ちょっと戸惑いながらも、引き受けることにしました。 僕は、ごく普通の人が普通の店で普通の料理を食べてあれこれ思うおかしみ……そういう話しか書けないんだけれど、それをあの美しい絵を描かれる谷口ジロー先生が絵にしてくださると聞いて、それは本当にうれしかったですね。 中原:でもそんなシンプルな話だからこそ、愛され続けてきたんですね。 久住:チョコチップクッキーも大袈裟じゃなく、シンプルな美味しさを淡々とやってきたから30年飽きられないんでしょうね。お互い「普通に美味しい」で30年間。なんだか今日実に親近感を感じてきました(笑)。
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「やっぱり五郎はチョコチップの場所の偏りを気にするだろうね。どこから食べ進めるかな?」(久住)

ボルボに乗りながら「チョコチップクッキー」をほおばる五郎!?

久住:最初は手探りでしたが、豆かんの回(※1巻・第3話「東京都台東区浅草の豆かん」)で谷口さんにしか描けない井之頭五郎が誕生したと思いました。美味しさに驚く表情が、リアルかつユーモラス。 ――五郎さんが下戸だというのもその回で明かされますね。 久住:五郎が甘いものを食べるなら豆かんかなあと考えたんですけど、当時「チョコチップクッキー」は思いつかなかったですねえ。でも、愛車のボルボに乗りながら「チョコチップクッキー」をほおばる五郎なんていうのも全然ありでしたね。 そういえば、連載開始が決まって、寡黙な男がひとりで食べるという設定も固まった、1話目もできた、さぁ!というタイミングでまだタイトルが決まっていなかったんですよ。電話で編集者に「あの孤独なグルメマンガのタイトル、どうします?」と言われて、なぜかすぐ「そのまんま『孤独のグルメ』でどうです?」って言ったんです。それで決まった。しかし「チョコチップクッキー」というのも、随分シンプルなネーミングですよね。 中原:確かにそうですね(笑)。おそらくですが、ビスケットシリーズの新商品としてわかりやすい名前ということで、そのままの商品名になったのではないかと。 久住:そんなところも、少し似ていますね。
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意外と共通点の多い『孤独のグルメ』と「チョコチップクッキー」のコラボ漫画は特設サイトで公開

チョコチップクッキー×孤独のグルメ
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時代に合わせながらも、絶対に変えない美味しさのこだわり

森永製菓で「焼き菓子開発のエキスパート」と呼ばれる園田さんでさえも、商品誕生時1994年はまだ高校生だったという。そもそも「チョコチップクッキー」はどんな経緯で発売されたのだろうか。 中原:当時、森永ビスケットは「マリー」「チョイス」「ムーンライト」などがあり、プレーンビスケット市場でNo.1でしたが、その地位を盤石にしたいと考えていました。そういった中、チョコとのコンビネーションクッキーの売上が伸び、スタンダードなビスケットとして受け入れられてきていることが市場調査で分かりました。そこで、当社のラインアップに、チョコチップクッキーを品揃えしようとなったのが始まりのようです。 久住:そういう「時代の味」みたいなものは、レシピに反映されたりすることはあるんですか? 園田:ココアパウダーの種類や配合、風味など、時代によるお客さまの嗜好の変化に合わせて少しずつ変えています。現在は、隠し味として黒蜜も使用しています。大量生産ですので、オーブンなどの製造設備を新しくするタイミングで同じ味を再現するためにかなり調整が必要になることもあります。 さまざまな変化に対応しながらも、食感や味のバランスなど、絶対に変えない部分は大事に引き継いできました。特にチョコレートとクッキーのバランスにはこだわって開発しており、クッキー部分にはチョコとの相性も考えた原料を配合しています。
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30年のこだわりが詰まったチョコチップクッキー

中原:資料によると何度も市場調査を繰り返していて、そうした努力で時代を乗り越えた商品でもあると思います。 久住:わかるなぁ。流行りって必ずありますからね。酒や料理にしたって、スマッシュヒットが定着してスタンダードになるものと、流行りで終わってしまうものがある。お菓子で30年残っているものって、なかなかないんじゃないですか? 中原:ありがたいことに、長く愛される商品に育ってくれました。 久住:(パッケージを手に取り)ロゴも30年変えていない部分かと思ったけど、あれ!? クッキーの部分だけフォントが変わってますね! 面白いなぁ。やっぱり会社として商品をどう捉えているかというのは、ロゴに表れるんですよね。現在のロゴには実に今のお菓子らしい洗練を感じます。
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「チョコチップクッキー」のパッケージを改めてじっくりと見る久住さん

「自分の子どもにも食べさせたい」と思ってもらいたい

――30周年という節目を迎え、今後それぞれ40年、50年とどんな未来を描いていますか? 久住:ドラマも気づけば12年続いて、なんと映画にまでなっちゃいました。連載を始めたときは『孤独のグルメ』がまさかこんなに続くとは思っていなかったです。マンガにしてもドラマにしても、おもしろさというのは時代と共に変わっていって、どうしても古くなるものですよね。 ただ、いつまでも古びない奇跡のような作品というのも必ずあるんですね。谷口ジローさんの絵は、そうした奇跡のひとつだと思っています。だから自分が携われる間はドラマを見守り、谷口さんの描いた『孤独のグルメ』を長く後世に伝えていきたいですね。 中原:奇跡のような作品とコラボできてうれしいです。私たちも「チョコチップクッキー」を好きになってくださった方が、ご自分のお子さんにも食べさせたいと思っていただけるよう、ブランドをしっかりと守っていきたいです。 園田:先人たちから引き継いできたものを後輩に伝え、いつもお客様の手元、身近にあるお菓子としてずっと「美味しい」と言ってもらえる商品を作り続けたいと思っています。 久住:50周年のとき、またお会いしたいですね! それまで健康でいましょう(笑)
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久住さんが「チョコチップクッキー」を、森永製菓のおふたりが『孤独のグルメ』を手にして、お互いの30年間に思いをはせる

特別コラボキャンペーンも展開中

 今回の『孤独のグルメ』と「チョコチップクッキー」の30周年コラボを記念して、スペシャルなコンテンツも展開予定。  まずは1月9日11時より、孤独のグルメ×チョコチップクッキーの特設サイトがオープン。『孤独のグルメ』主人公の井之頭五郎がチョコチップクッキーを食すコラボ漫画&動画バージョンなどを見られるほか、今回の対談では語り切れなかったチョコチップクッキーの美味しさの秘密なども公開しているのでぜひチェックしてほしい。
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コラボ特設サイトは1月9日の11時からオープン!

   またコラボ漫画の動画バージョンがYouTube・各種SNSで広告展開されるほか、1月10日公開の『劇映画 孤独のグルメ』においても、全国のイオンシネマ一部にて、上映前にCMとして動画が流れる予定。映画を観に行く際はこちらもお見逃しなく!

チョコチップクッキー×孤独のグルメ
特設サイトはこちらから!

劇場でのCM放映期間:2025年1月10日(金)〜 2025年1月30日(木) ※内容については変更の可能性がございます。 <提供/森永製菓> (取材・文/仲田舞衣 撮影/加藤 岳) © 2025- Masayuki Qusumi,PAPIER/Jiro Taniguchi,FUSOSHA. All rights reserved.
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