モンハン人気に乗る人は、スクールカーストで言えば第二勢力層だ【コラムニスト原田まりる】

モンスターハンタークロス』が11月に発売されTwitterのTL上では「村クエここまで進みました!」「今度一緒にやりましょう!」とモンハン好きな著名人同士会話が繰り広げられている。

 そしてこういったやりとりや盛り上がりに対して「文句をいってはいけない雰囲気」というものも同時に漂っている。私自身も元々ゲームコレクターであったこともあり、モンハンフェスや発売記念番組に出演していたが、4Gが発売されたあたりから正直、興味が失速してしまった……。

 これは私に限らず、周囲を見渡しても熱狂的にハマっていたもののモンハンをやめてしまった人、また反対に途中からモンハンに対し熱を上げた人もいる。そして辞めてしまった人、新しく始めたひとに理由を聞くと行動こそ逆であるものの、驚くことに辞めた理由・始めた理由が一致しているのである。それは「コミュニケーションツールであるから」というものだ。モンハンは自分一人で楽しむもの、というよりもコミュニケーションツールという認識でも楽しまれている。

 その結果、一人で細々とやり込むのが好きだった人はコミュニケーションが億劫になり、逆にコミュニケーションを心地よく感じる人はやりこむようになっていたりする。熱狂的ファンでなくとも「なんとなくみんながやっているからやっている」「大勢で楽しめるから好き」という理由が動機となり、モンハンをプレイしている層も多く存在し、国内での大ヒット作となっている。

 しかし、大ヒット作にも関わらず、不思議な点がある。それは、アンチの声の少なさである。

 あるアーティストが大流行したり、あるアニメが流行った場合には、たいがい「流行っているけど全然クソだわ」という否定的な意見が発生するものであるが、モンハンに関してはこうした否定的な意見は、無い。無いというのは皆無という意味ではなく、耳に入ってくるほどの大きさの否定的な声が、届いてこないのだ。これはある種、不自然な現象ではないだろうか。

文化祭に盛り上がるという風潮に似ている


 私はモンハンに関する著名人たちのやりとりを見ていると、文化祭に盛り上がる、クラスの中心人物たちの賑わいを思い出す。ヤンキーでも不良でもない、スクールカーストの第二勢力にいた人物たちだ。そしてこの第二勢力層と最上位層には大きな違いが2点ある。

 まず、スクールカーストの最上位にいる人たちは、風貌の系統が似ている。細身で美形で髪色は明るい……とった具合に、キャラクターとしては似たような人たちで形成されている。これが1点目の相違点である。そして2点目は、スクールカーストの最上位は修学旅行や文化祭など、学校行事にはあまり協力的でない場合が多いという点である。

 対して、第二勢力に位置する人たちは学校行事にはわりと積極的に参加する。修学旅行などでもはりきって「女子の部屋にいこうぜ!」と提案したりするのはこの層だ。そして、第二勢力の人たちは、キャラクター性に富んでいる。

 例えば、クラス担任にいつもツッコミを入れられるお笑いキャラ、部活動に命をかけているキャラ、音楽好きキャラといった具合に、バラエティー豊かなのだ。美形もいれば、お笑いキャラもいる。「モンハン発売したからみんなでやろうぜ!」とイベントに対して好意的で周囲と一丸となる姿勢。そして芸人、タレント、声優、ミュージシャンと……バラエティー豊かなモンハン好き著名人たちの職種。ここを見ると、モンハン好き著名人たちは、クラスの第二勢力層と類似しているように感じる。

 そしてこの第二勢力層は、スクールカーストの最上位層よりもクラスの雰囲気づくりに大きく加担している。第二勢力は、大人数のグループであることと同時に、最上位層とも第三勢力とも物腰柔らかに交流するので、最上位ではないものの、最大勢力であることが多く、必然的に第二勢力層の意見は「みんな」の意見になりやすいのだ。

 つまり第二勢力は最上位でなくとも場を支配しており、さらにそれに対して抵抗する大きな層を持たないという“第二勢力トリック”が出来上がっているのではないだろうか。モンハンが面白いか面白くないかを判断するのは個人の尺度でしかないだろうが、ここまで流行っているにも関わらず、否定的な大きな声が届いてこないというのは、ある種不自然な現象に思える。

 これは全員が熱狂的なモンハン信者であるというよりも、第二勢力の流行りを受容する、という学生時代に覚えた「クラスの空気を読む」というスキルが発揮されての反応なのではないだろうか。そうこう言いながら、いつものように発売日に買った私も、第二勢力を意識しているのかもしれない……。

原田まりる

モンハン会はチェーン居酒屋で開催されることが多い(真剣です)

【プロフィール】
85年生まれ。京都市出身。コラムニスト。哲学ナビゲーター。高校時代より哲学書からさまざまな学びを得てきた。著書は、『私の体を鞭打つ言葉』(サンマーク出版)。レースクイーン、男装ユニット「風男塾」のメンバーを経て執筆業に至る。哲学、漫画、性格類型論(エニアグラム)についての執筆・講演を行う。Twitterは@HaraDA_MariRU
原田まりる オフィシャルサイト https://haradamariru.amebaownd.com/

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