マル暴デカが激白「ヤクザは“ほどほど”に力を持っていた方がいい」
暴排条例適用の厳格化により、全国的に暴力団は“活躍の場”を奪われ、もはやマンガや映画の世界のようにシノギを続けることは厳しくなってきた。そして彼らヤクザ者に変わって台頭してきたのが、いわゆる半グレと呼ばれる不良たちの集まりである。
報道されているように、彼ら半グレは特定の事務所やヤクザ組織のような名簿も持たない。そのため、実態が掴みにくく、それでいてヤクザ者よりも先鋭的に犯罪行為を行っている。なかにはヤクザ者を食いものにしたり、抗争によって力で勝るという事態も起きているのだ。
こうした状況を現役の暴力団担当の刑事、いわゆるマル暴のデカは苦虫を噛み潰す思いで見ているという。
「組織化されているヤクザと違い、半グレと呼ばれる人たちは組織化されていないのが特徴。二大巨頭が関東連合と中国系マフィアの怒羅権(ドラゴン)。怒羅権は初代のZという男がトップを張っているということが分かっているが、名簿もないし、その下がどのような組織図になっているのか一切はっきりしない。ヤクザだったら、一次団体、二次団体とピラミッドがはっきり分かるようになっている。だから、殺しがあった際には、目星をつけた組に別のフダをもってガサをやったりすると、たいてい解明できるんだよ。でも、半グレには事務所というものもないし、名簿もないし、組織図もない。そのため、悪いヤツが自由に悪いことができる土壌になってしまっている。しかも、ヤクザにはシマがあるから、ある程度の見当をつけやすいけれど、半グレにはシマの概念もないから、ジャングルの弱肉強食状態というのが現状なんだ」
苦々しい顔でアウトローの現状を語ってくれたのは、マル暴デカのX氏だ。X氏によれば、半グレたちの「組織化されていない組織」というのが、今、大きな問題となっていると言う。
「日本において、ヤクザは統制の効く悪の組織。組織化されていて、名簿もしっかりとある。そのため、警察との間で“落としどころ”ができていた。関東ではヤクザが会合を開いて組長同士が集まっていろんなことを話すんだ。例えば『今、●●の件で警察が動いている。〇〇組と▲▲会がいざこざを起こしているけれど、拳銃を使った殺し合いは厳禁だ』というようなことも話し合っている。そのため、警察に踏み込ませない、警察は踏み込まないという“秩序”が保たれている。この秩序がなくなったのが、今の関西の山口組と福岡。そうなるとメディアを使って、ヤクザつぶせキャンペーンをしたり、どんどん逮捕していくんだ」
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