田舎でも自転車は車道を走るべきか?
2012年7月18日の毎日新聞によると、自転車の車道上事故が大幅に減り、歩道上の事故は逆に増加傾向にあるという。民間研究機関の分析では「欧米の例が示すように車道を走る自転車が増えれば、車のドライバーが注意し安全性が高まる」と、記事内で指摘している。警察庁も昨年の10月から、歩行者の危険を考慮して、自転車の車道走行徹底を行っている。
だが、「自転車は車道走行」のルール徹底化によって、困惑している人々もいる。
「自分は茨城県を中心に、食品搬入のドライバーをやっているんですけど、去年、このニュースが騒がれだしたころから、車道を自転車で走るお年寄りが増えました。皆さん、真面目にルールを守ろうとしているんだと思いますけど、こんな田舎では、歩道に人なんかほとんど歩いてないですよ。歩道が混むのなんて、小学生の通学と帰宅時くらいです。狭い道で、ふらふらと走っているお年寄りの自転車が車の方に寄ってきて、ぶつかりそうになったことが何度もあります。いくらこちらが注意していても、危ないなんてもんじゃないです。できればこんな田舎では自転車には歩道を走って欲しいと個人的には思います……」(25歳・ドライバー)
「このニュースが騒がれだした頃から、都内で自転車に乗るときは車道を走ることを意識していました。でも、突然、後の車からクラクションを鳴らされて驚いたことや、車がすれすれで横を通り過ぎて怖い思いをしたことが何度かあります。正直な感想を言えば『こんなんじゃ車道なんか怖くて走れない。十分注意するから、歩道を走らせてくれ』と思います」(28歳・不動産)
確かに、都会などの人が多く歩く歩道や自転車走行が整備された車道では、自転車の車道誘導は徹底されるべきかもしれない。だが、全国全ての車道が、自転車の走行に適した作りになっている訳ではない。行政側の指導や、歩道・車道整備作りが追いついていない地域では、本当にこの道でも自転車は車道を走るべきなのか、断する必要がありそうだ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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