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スマホアプリで“全ての乗り物”を予約・決済、公共交通の新概念「MaaS(マース)」って?

 このところ、一般メディアでも「MaaS(マース)」という単語が目立つようになった。このMaaSは「Mobility as a Service」の略語で、要は全ての乗り物をサービスとして提供しようという概念だ。そんなことは、すでに行われているじゃないかというツッコミもあるだろう。

 しかし、たとえばこのようなことを想定できないだろうか。自宅からJRの駅まで行くのにタクシーで行き、そこから鉄道に乗り換え、その後は到着駅から目的地までバスを使う。これら全ての移動の予約と決済を、ひとつのスマホアプリで一度にできたらこの上なく便利だろう。それがMaaSと呼ばれる仕組みで、日本でも試験運行が進められている。

 今後、我々の生活を一変させる可能性があり、そのメリットなどの基本をおさえておきたいところだ。

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日本における「MaaS」の可能性


 今や誰しもがスマホを持っている。そして、そのスマホを活用したキャッシュレス決済サービスも充実するようになった。PayPay、LINE Pay、Apple Pay、au Pay、D払い。これらのサービスは、公共交通機関にどのような影響をもたらすのだろうか。

 ここで、タクシー運転手のつもりになって考えていただきたい。もしもタクシーで完全キャッシュレス決済・現金お断りができるようになったら、どのようなメリットが発生するのか。まず、運転手は釣り銭のための小銭を用意する必要がなくなる。そしてカーナビのGPS機能を使ってこれから向かう道筋を算出できれば、料金は前払いのほうがいい。

 逆に考えれば、現金決済は極めて煩雑で非合理的だ。タクシー運転手に対して全く親和的ではない。スマホアプリでの決済を前提にしたMaaSは、そのような煩わしさを完全解決してくれるシステムなのだ。

フィンランドではすでに実用化


 MaaSはそもそも、フィンランド発の概念である。フィンランドの首都ヘルシンキには、すでに『Whim』というアプリがサービスを始めている。これは市内の鉄道、路線バス、タクシー、ライドシェア、そして何とレンタル自転車まで一括予約できるアプリ。決済はもちろんキャッシュレスで、オンラインでの一括支払いだ。

 このようにスマホアプリひとつで予約から決済までできるということは、それを定期券化することも可能ということだ。Whimでは毎月定額の利用プランも用意している。

 このサービスにより、市民は自家用車を買う必要がなくなる。それは渋滞緩和と地球環境問題の改善に直結する。このあたりがいかにも北欧の国らしく、ヘルシンキ市民にとってのMaaSとは単に便利なだけでなく「エコロジーな交通システム」という認識なのだ。

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飛行機との組み合わせも

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【参考】Whim





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