カーライフ

日本が世界に誇るハイブリッドトラックの実力

サッカーや野球の日本代表のように、世界に飛び出して活躍する人を“侍”と敬意をこめて呼んだりしますが、クルマの世界、とりわけトラックの分野にも侍がいたりするわけで。アクア並みの燃費性能を誇り、あのポルシェですら市販化していない技術を搭載した侍トラックに乗りに、ポルトガルまで行ってきました 西村直人=文 Text by Nishimura Naoto ハイブリッドトラック わが国がハイブリッドカー天国なのは周知のとおりだが、実はトラックの分野でも、日本は世界有数の“ハイブリッドカー原産国”であることをご存じだろうか?   日本の商用車メーカー各社から発売されているハイブリッドトラックは、車重と荷物を合わせた車両総重量が7トン以上にもなるボディを、リッター12~15kmで走らせる実力がある。アクアのそれに比べれば3分の1程度だが、そもそも車重が約7倍違うので、実力は拮抗している。  そんな日本発のハイブリッドトラックが9月、世界に向けて一斉に発売された。しかも海外生産というおまけつきで。技術流出を恐れてトヨタやホンダですら長らく着手してこなかった領域なのに、いきなりの海外生産を行ったのは三菱ふそう。年間走行距離の多い商用車だからこそ、できるだけ早いタイミングで世界でもハイブリッドトラックを走らせたいということだ。その心意気やよし!ということで、私はハイブリッドトラックの実力を現地で確認するため、ポルトガルまで行ってきた。  今回、欧州全域を対象として販売されるハイブリッドトラックは、三菱ふそうの小型トラック「キャンター エコ ハイブリッド」。3リッター直噴ディーゼルターボエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせているのだが、技術フェチな三菱ふそうらしく、なんと世界初のデュアルクラッチトランスミッションにハイブリッドモーターを組み合わせてきた。あのポルシェもスポーツカー向けに一生懸命開発している技術なのに、いまだ市販車としては存在していない夢のパワートレーン。それを愚直に開発し、トラックに搭載したところが三菱ふそうのスゴイところだ。  日本では、すでに5月に発売されている「キャンター エコ ハイブリッド」。海外仕様も見た目は国内仕様とほぼ同じ。グローバルカーとして開発されたので、そのあたりでコストダウンを図っている。乗用車の世界でも、この15年で本格的に進んできた最先端の設計思想が、ここにも取り入れられているのだ。  まず、現地の生産工場で驚いたのが、手作業で組み立てる工程が多いこと。火花が飛び散る場面もあったりして、昭和の工場みたいな感じだ。それでも、例えばボディの隙間なんかは日本仕様とまったく同じ基準で検査されているし、手作業が多く感じたのは「ノックダウン生産」といって、パーツを各国から集めて組み立てることに特化した生産スタイルだから。本当に驚くべきは、このクルマの燃費性能だ。通常のディーゼル車よりも23%も燃費性能が向上したおかげで、車両価格のアップ分は、3年ほどで回収できるらしい。 ※後編に続く⇒世界のトラック&バスが大集合!
https://nikkan-spa.jp/331596
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