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【悪徳不動産】買い叩いた液状化マンションが不良債権と化す

震災直後から被災地に入り、被災者を相手に一儲けを企んだ犯罪者たち。こうした震災犯罪の手口を週刊SPA!ではこれまで何度も報じてきた。そして東日本大震災から2年が経過した現在、復興途上の東北の地で、彼らは暗躍し続けているのだろうか。取材を進めていくと、当時、真っ先に被災地入りした犯罪者たちの間には明暗がはっきりと分かれていた! 【液状化エリア悪徳不動産】安く買い叩いた中古マンションが不良債権と化す
幕張ベイタウン

竣工からたった15年で購入時6000万円クラスの物件が2000万割れまで下落した幕張ベイタウン。ようやく構内の復旧工事が終了したところだという

 激しい液状化被害が出た新浦安や幕張・稲毛などの湾岸エリア。震災後、下落した不動産価格に目をつけ、マンション居住者に必要以上に不安を煽り、買い叩く悪質不動産業者がいた。転売益や賃貸経営を目論んだ、こうした業者たちは今どうなっているのか。  地元の不動産業者はこう話す。 「浦安市が被災マンションの補修工事を3000万円(もしくは総費用の3分の1)まで補助することを決めたことで、ようやく昨年夏からマンションの躯体の復旧工事が始まり、流動性も出てきた。とはいえ、売れるのは中古マンションでも2000万円台以下。5000万円を超える中古物件はほとんど成約しておらず、成約しても2割以上買い叩かれていますね。また、売らずに賃貸経営したとしても、賃貸価格はファミリータイプで震災前14万円程度だったものが10万円台と、こちらも2~3割下落し、それでも需要が下回っている状態です。同じ新浦安の戸建てに住んでいた人が、建て替えやリフォームの間の仮住まいとして借りるぐらいしか需要はない」  震災直後にマンションを買い叩いた悪質業者は現在、自らが買い叩かれているというのが実情だ。  一方、もっと悲惨なのは幕張ベイタウンのマンション群を買い叩いた不動産業者だ。こちらは、想像以上にマンション価格が下落している。 「’90年代後半に販売された当時、4500万~1億円弱だった価格が、現在は3LDK(約75m2)で1600万円台になって売り出されています。さらに、同地区では新築中の物件が同じ条件で2300万円台から売り出されている。買い叩いた不動産業者もさすがに新築物件価格以上では売れないし、1000万円以下で買い叩いてもいない。利ざやが少なすぎる」  震災に便乗した悪質業者に残されたのは売れない、貸せない不良債権のみ。 「むしろ買うなら今でしょ。2年前に買った業者は、明らかに早とちりでしたね」  結局は、アベノミクスに期待ということか。 ― 震災で一儲けを狙った[火事場泥棒たち]の今【3】 ―
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