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パワードスーツ開発者ワンフェスで語る「産業化に本気」

ワンフェス,パワードスーツ

佐川電子「パワードジャケットMK3」と大日本技研「PDFクラフト ギュゲス1/1」

 7月28日、千葉県・幕張メッセで開催された「ワンダーフェスティバル2013夏」にて、佐川電子が販売を開始した「パワードジャケットMK3」の展示・稼働デモが行われた。同製品は、先着5台の限定受注生産で1250万円という価格で販売を開始し、同時に公開されたプロモーション映像が注目を集めていた。  稼働デモを行ったのは、開発メンバーの同社取締役CTO・町浩輔氏。身体を動かすとその通りに動くという直感的な操作方式になっており、足元に落ちたテープを蹴ったり、片足立ちをしてみせたりと、「足裏の感覚としては地面の上に立っているのと変わりません。片足立ちの動作なども、利用者自身のバランス感覚さえよければ可能です」と、軽快な動きをみせた。足首の細かい動きにも対応する。 ⇒【画像】https://nikkan-spa.jp/482713/nspa482713_03  展示されていたのは、モデルガンなどの販売を行なっている大日本技研のブース。今年2月に開催された「ワンダーフェスティバル2013冬」では、乗れる原寸大スコープドック(ボトムズ)が注目を集めたブースだ(https://nikkan-spa.jp/385279)。  今回のブースには、「パワードジャケットMK3」と共に、士郎正宗氏原作の「アップルシード」に登場するランドメイト(パワードスーツの一種)「ギュゲス」の原寸大モデルが展示されていた。こちらは、販売されていた「PDFクラフト ギュゲス 1/1」によって製作されたもので、原作の造形から立体化にあたってリデザインしたものだという。  そして、この2つが組み合わせたものが、次回のワンダーフェスティバルにて展示されるという。「展示というかコスプレ参加です(笑)」とコラボが発表されると会場からは「お〜〜〜!!」と期待の声があがった。作品中で「ギュゲス」は、主人公らが所属する武装部隊に配備されており、戦闘利用されていた。実際、パワードスーツの利用用途として、軍事分野からの注目は高い。
ワンフェス,パワードスーツ

次回ワンフェスでは動く「ギュゲス」が見られる!

「実際、軍事目的というのは一つの用途としてありえると思います。しかし、現段階のパワードスーツやロボットというのはおもちゃでしかない。そろそろ本物を作って、産業化していかなくてはいけない。レスキュー、工事、介護、原発作業など、必要としている環境はあります」  町氏が語る“本物”とは、「パンチしてベニヤ板に穴を開けたり、ボールを蹴ってサッカーコートの端から端まで飛ばしたり、実用的だということを証明できる機体」だという。「特許は取得せず、公開して多くの人に周知し、実用度が政府にも認められれば、産業化への道もみえてくるはず」と、パワードスーツという分野全体の発展を熱く語った。
佐川電子取締役CTO・町浩輔氏

佐川電子取締役CTO・町浩輔氏

 現段階ではまだ売れていないという1250万円のプロトタイプだが、「売上は次の機体の開発費にまわしたいと思っています。未来への投資として購入していただける方をお待ちしてます」と、まだまだ課題も。 「早く街中でパワードスーツを着た人が普通に歩いている風景がみたい」そう語る町氏の目には一点の曇りもなかった。今から動く「ギュゲス」の登場が楽しみだ。 <取材・文・撮影/林健太> ●プロモーション映像 (http://youtu.be/beKkf8Oo0GU
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