「新国立競技場問題、悪いのは誰だ?」辞意表明の下村文科相が告白

 揺れに揺れた「新国立競技場」の建設を巡る問題の責任を取り、9月25日、下村博文文科相が辞意を表明した。

『悪いのは誰だ! 新国立競技場』 (扶桑社新書)のなかで、上杉隆氏(写真)は多くのステークホルダーたちにインタビューを試みている 撮影/日刊SPA!取材班

 この前日の24日に、白紙撤回までの経緯を検証する第三者委員会の報告を受けての辞意表明だった。第三者委は新国立競技場建設の事業主体であるJSC(日本スポーツ振興センター)と監督官庁の文科省の責任を指摘したものの、「個別の関係者に責任を求めるのは適切ではない」として、下村文科相や河野一郎JSC理事長に「組織の長としての責任」を問うに留めたのだ。

 だが、この1か月前、下村文科相自身はこう話していた――。

「責任を取るべきは、私ひとりとか、そういう問題じゃない」

 混乱劇の真相を匂わせる発言を引き出したのは、ジャーナリストの上杉隆氏。このほど緊急出版された『悪いのは誰だ!新国立競技場』(扶桑社新書)でのインタビュー取材のなかでのことであり、下村文科相は翌日に第三者委のヒアリングを控えていた。当時すでに国民的関心事となっていたこの問題では、世論は森喜朗・五輪組織委員会会長、下村文科相、そして河野JSC理事長の名が“三悪人”として挙げられていた。ところが、今回の第三者委の報告で、「責任アリ」とされた河野氏は9月の任期満了をもっての辞任。つまり、事実上のお咎めナシとなってしまった……。さらに驚くべきは、日本のスポーツ利権を牛耳る森会長について、第三者委は「ヒアリングはまったく必要なかったという気がします」と言ってのけたのだ。

「世間や一部記者クラブメディアは森氏、下村氏、そして河野氏の3人を集中的に批判していますが、事はそう単純ではない。今回の混乱の原因を究明するには、東京五輪招致構想が持ち上がった石原都政まで、まず時を遡る必要があります」

 ’99年、石原慎太郎氏が当選した都知事選を、上杉氏は対立候補の鳩山邦夫・元文部相の秘書として戦っていた。その後、ニューヨークタイムズの取材記者に転身するのだが、都政はその後15年以上も続く一大取材テーマとなった。2度の五輪招致活動にもコミットした結果、事情に精通する上杉氏は、著書で複雑に絡んだ糸を解きほぐすように真相に迫ろうと試みている。さらに、今回、白日の下に晒されたのが、独自ルートで入手した文科省の「部外秘資料」だ。9月28日現在、この資料を報道するメディアはひとつもない。霞が関としがらみのある記者クラブでは到底不可能な、上杉氏らしい仕事と言っていいだろう。

『悪いのは誰だ! 新国立競技場』

上杉隆氏著『悪いのは誰だ! 新国立競技場』 (扶桑社新書)

 上杉氏はこの「部外秘資料」を精査のうえ、下村文科相や猪瀬直樹・前都知事をはじめとするキーパーソンをはじめ、関係者数十人に取材を敢行。生々しい証言を引き出している。

 そこから浮かび上がったのは、神宮の杜に蠢く「3つの利権」だった。例えば、第三者委の報告が「利害関係を有する主要な関係団体の代表者らで構成されており、JSCの意志決定に大きな影響を及ぼした」と指摘する有識者会議の実態を、同会議の理事を務めていた笠浩史・民主党衆議院議員の証言から活写。著書からは、スポーツ界の首領・森会長を忖度する様子がありありと窺える……。

 実は、第三者委の報告書では、最大の問題点である新国立競技場の工費乱高下の原因は究明されていない。現在、新たに設計・施工業者の選定が行われているが、このままではふたたび混迷しかねない……。あの混乱劇の真相を抉る好著は、一読の価値ありだ。 <取材・文/日刊SPA!取材班>

悪いのは誰だ! 新国立競技場

[部外秘]資料を入手。「新国立問題」に絡む“利権”、“犯人”をあぶりだす!

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