寒さを吹き飛ばす美女と酒の温もり。ススキノ遊びは厳冬期に限る!

 変わらぬ味のいいちこ、唄い尽くした十八番、新人キャストとの面接のようなトーク――酒飲み人生を長く続けていると、不感症ともいうべき精神状態に陥ることがある。

 そんなとき、スギナミが処方箋としているのは休肝ではなく、飲みの場を地方都市に求める“旅打ち”だ。聞けば、今年も札幌・ススキノで氷の女王が選出されたという。僕は機上の人となった。

ススキノ

パラパラと舞い散る雪が繁華街のネオンに照らされる。ススキノならではの幻想的な光景

◆今年の氷の女王は同一店舗から選出

 800m四方のエリアに、碁盤の目のように飲食店がひしめく札幌・ススキノは、中洲、歌舞伎町と並ぶ日本三大歓楽街。冬季は街全体が雪化粧され、夜遊び気分が否応なしに高まってくる。

 街中に鳴り響く、ぼったくり警告など意に介せずといった具合に、ひっきりなしに客引きが声をかけてくるがすべてスルー。まずは旅の目的のひとつである「氷の女王」に会うため、ニュークラブへと向かう。

 ススキノでは毎年「ススキノアイスワールド」という氷像の展示イベントが開催される。そのイメージガールとして、ススキノで働く数千人のクラブホステスの中から2人、「氷の女王」が選出されるという仕組みだ。

 今年選ばれたのは「クラブ・シェル」に在籍する椿ここちゃんと一ノ宮亜姫ちゃん。氷の女王のモコモコッとした雪国衣装とは打って変わって、お店ではセクシーなボディコンスタイル。透き通るような白い肌に頭がクラクラする。

外の寒さを一瞬で忘れる氷の女王2人とご対面

氷の女王2人

(写真左から)「赤ワインが大好き。最近はイエーガーにハマってます」(一ノ宮亜姫/20歳)、「誰にでも優しくて尊敬できる人がタイプ。年の差は関係ありません」(椿ここ/26歳)

「室蘭から札幌に出てきて7年。氷の女王は昔から憧れてたので『まさか私が!?』って今でも夢心地です。会場は寒いけど、心はほっこりしてもらえるよう、笑顔を溶かさず頑張ります」(椿ここ)

「ススキノは寒いけど、酔ったあとに外に出たときの気持ちよさは格別ですよ。私もはしご酒をよくするけど、飲んでも飲んでも酔っぱらいません」(一ノ宮亜姫)

 氷の女王というより、太陽神のように明るい2人のノリにあてられ、沈殿していた気持ちもパーッと晴れてくる。となれば“旅打ち”の醍醐味、安スナックのはしご酒で締めくくりたい。

 向かったのは地元民、観光客で常に盛況と噂の「原価チェーン」。すすきのG4ビルを中心に「スナック原価」「メモリアル原価」など、60分3000円程度で飲める格安の料金形態。お酒、食べ物の持ち込みも自由である。

素の道産子と触れ合える名店

素の道産子と触れ合える名店

(写真左から)「牛乳がおいしくてスクスク育ちました」(ゆかり/19歳)、「美熟女系でも対応できるけど、20代前半です(笑)」(つばさ/24歳)、「焼き肉、ジンギスカンが好きな肉食女子です」(純華/30歳)

「料金だけでなくて、女のコも見てください。夜に染まっていない優しいコたちばかりですよ」(「スナック原価」由華ママ)

 正直、女のコの質にはさほど期待はしていなかったが、その予想はいい意味で裏切られた。席にやってくる道産子たちは皆、粒揃いで性格美人。

スナック原価

スナック原価の美女たち

「この値段でこの質。東京にあったら行列ができるな」などと思いつつ、しこたま飲んで顔を火照らせては、移動中に零下5℃の冷却クールダウン――を繰り返す。

 サウナ後の外気浴のような爽快さで、街をあとにした。

クラブ シェル

クラブ シェル

【クラブ シェル】
札幌市中央区南5条西4丁目Nセンタービル5F TEL 011-520-4233
19時半~翌1時 休:日曜日
60分3000円~(指名料3000円 延長料30分3000円) 
在籍キャストは20~21歳を中心に常時30人。平均予算は1万円前後みておきたい

【スナック原価】
札幌市中央区南6条西4丁目G4ビル3F TEL 011-511-3030
19時~翌1時(金・土は2時まで) 年中無休
60分2500円(延長料60分2000円)
在籍キャストは常時15人ほど。原価チェーンの情報はHPを参照 http://www.genka.jp

<撮影/小牧寿里>

スギナミ 東京都生まれ。主な出没地域は中野、高田馬場の激安スナック。特技は「すぐに折れる心」
スギナミの他の記事