「放射性物質を回収する大腸菌」東大学生チームが研究中
害のない大腸菌を「放射線探知機」にし、さらに放射性物質を回収させたい――「iGEM UT-Tokyo2011」という東京大学の学生チームが、こんなタイムリーな研究をしている。
彼らに出会ったきっかけは、「数独を解く大腸菌」というオモシロ研究の取材である。iGEM(The International Genetically Engineered Machine competition)とは”ロボコンの合成生物学版”のような世界大会で、昨年銀賞を取ったのがこのオモシロ研究だった。
なんでまた大腸菌に数独を?と半笑いで話を聞きにいったところ、今年は「放射性物質を回収する大腸菌」プロジェクトで金賞以上を狙うというのだ。
代表の福島正哉さんによると、仕組みはこうだ。
「放射性物質を浴びると生物のDNAはダメージを受け、DNAを直そうとする反応が起きます。大腸菌の中でその反応が起きたら、たんぱく質を合成するよう遺伝子を組み込むと、その大腸菌は『放射線探知機』となります。さらにある物質を出すことで『放射線に向かっていく』という性質も持たせることができるんです」。
他の菌や植物が用いる仕組みを応用すれば、放射性物質を「取り込む」ことも可能だという。
取材陣にはチンプンカンプンだったが、実現すれば(たぶん)快挙である。
ちなみにiGEMは、毎年11月頃にマサチューセッツ工科大学で行われる。
頑張れ東大チームくん!
これらのユニークな研究を特集したのが、週刊SPA!6/14・21号の「世界の[トンデモ研究論文]大集合」。他にも「コーヒー好きの女性は貧乳」「ブンチョウはモネよりピカソが好き」などなど、研究者のトンデモなく激しいパッションに脱帽である。
文/増田結香
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