NBC特番“タイソン起用”に失敗――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第97回
WWEは急きょダグラスのマネジメントと出演交渉をおこない、ダグラス・サイドもこれに合意。ほんの数週間まえまではまったく無名の存在だったダグラスが“無敵のタイソンをKOした新チャンピオン”としてNBC特番にゲスト出演することが決定した。
ホーガン対サベージのタイトルマッチはマニア層の観客にとっては前年の“レッスルマニア5”の焼き直しでしかなかったが、カジュアルな層のテレビ視聴者はこの定番カードを“世紀の一戦”ととらえた。プロボクシングの元世界ヘビー級王者の名がそのままアリーナの名称になったジョー・ルイス・アリーナはその日、2万1000人の大観衆を動員。2時間番組の平均視聴率は12・8パーセントという数字をはじき出した。
試合は、ホーガンが十八番レッグドロップでサベージをフォール。特別レフェリーのダグラスがキャンバスを3回たたき、ホーガンの右手を高々とあげた。試合終了後はサベージとダグラスがリング上で口論を演じ、ダグラスが右ストレートでサベージをKOするというお約束どおりのボーナス・トラックも用意されていた。
NBC特番“サタデーナイト・メインイベント”はプライムタイムの全米生中継のため、メインイベントのホーガン対サベージのタイトルマッチが番組前半、セミファイナルのアルティメット・ウォリアー対ディノ・ブラボーのインターコンチネンタル選手権が番組後半にレイアウトされていた。
この連載の前回記事
【関連キーワードから記事を探す】
ビンス・マクマホン 世界征服と開拓のパラドックス――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第100話(最終話)>
ランディ・オートン 現在進行形のレジェンド――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第99話>
ジェフ・ジャレット “サザン・スタイル”最後の継承者――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第96話>
クリス・ジェリコ ロックンロール・レスラー――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第95話>
カート・アングル あっというまに“伝説の男”――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第94話>
ビンス・マクマホン 世界征服と開拓のパラドックス――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第100話(最終話)>
バディ・ロジャース 本格派ヒールのチャンピオン像――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第5話>
ビンス・マクマホンが“世界征服”に成功した日――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第336回(2001年編)【完結】
ビンス・マクマホンのXFLにアメリカじゅうのメディアが大騒ぎ――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第333回(2001年編)
エリック・ビショフ=ビンス・マクマホンになれなかった男――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第319回(1999年編)
この記者は、他にもこんな記事を書いています