TVアニメ「くまみこ」はなぜ炎上したのか? 原作者も「あの発言は、酷いなあ」と苦言
2016年春の深夜アニメとして放送されたTVアニメ「くまみこ」の最終話が話題になっている。作中キャラクターの発言に原作者がブログで「あの発言は、酷いなあ」と苦言を呈し、担当脚本家がツイッターのアカウントを消して雲隠れ。なぜ、関係者の間にも異例の動きが見られる“炎上騒動”になったのだろうか?
(※編集部注:以降、ネタバレする箇所がございますのでご注意ください)
「くまみこ」の原作は、吉元ますめが「月刊コミックフラッパー」で連載中の漫画。東北の架空の山村「熊出村」を舞台に、熊を奉る神社に巫女として仕える雨宿まちと、人間の言葉をしゃべるヒグマのクマ井ナツの交流を描いている。
結論から述べると、「くまみこ」最後の二話において「後味が悪すぎた」「主人公・雨宿まちのかわいさを演出できなかった」ことが炎上の大きな要因だろう。同作が「今期の覇権アニメ」と目されるほど人気を呼んだのは、何よりも漫画ではなくアニメだからできる動き、声の点で飛び抜けて優れていたからだ。
中学生のまちが寝そべって足をパタパタする、ぜい肉をムニムニする、このような思春期の女の子の何気ない動きに対する、スタッフの熱く暗い執念を感じさせる表現の高さに驚嘆させられたのが「くまみこ」というアニメだった。動くべき所はトムとジェリーもかくや、バトル物もかくやという程に躍動感のあるアクションをし、とにかくスタッフが楽しんで作りこんでいるのが伝わってきたのだ。
そして、まちの声を当てる今回初主演の日岡なつみの演技。明るくハツラツとした声は純朴な田舎娘のまちにピッタリで、これ以上の配役は無い、よくぞ!と称賛されるほど。ショックを受けてうろたえた声、えづき、涙声の表現力はまちの魅力をとことん引き出していて、漏れなく視聴者の心をざわつかせただろう。
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