更新日:2022年08月21日 11:57
スポーツ

“スーパーフライ”ジミー・スヌーカ死去――「気楽にいこうよ」のハンドゼスチャーが忘れられない東京での一夜【フミ斎藤のプロレス講座】

 気がついたら、スヌーカさんはおとなりのテーブルに座って食事をしていたジョー山中さんと楽しそうにおしゃべりをはじめていた。山中さんは「格闘技は大好き。プロレスも大好き。『あしたのジョー』の主題歌を歌わせてもらったから、ぼくは格闘家とは心が通じ合ってるつもり」といってほほ笑み、スヌーカさんも静かな笑みをたたえて山中さんのほうをみていた。  ぼくらの世代だと、ジョー山中さんというと映画『人間の証明』の“Mama,Do you remember”という主題歌なのだけれど、そのフレーズをそのまま口ずさむと失礼かもしれないので、それはやめておいた。  パッとうしろを向いたら、内田裕也さん――子分を何人か引き連れた――が立っていた。山中さんと内田さんは握手をしてハグをして、おたがいにニッコリ笑っておしゃべりをはじめた。山中さんはスヌーカさんを内田さんに紹介し、内田さんとスヌーカさんもニッコリ笑って握手を交わした。とてもゴージャスなシーンだった。  3人のアーティストたちは、ステージでそれを演じる自己とオーディエンスの関係を語り合っていた。「Vice Versaヴァイス・ヴァーサ(逆もまだ同様に)」とか「 Psychologyサイコロジー(観客心理)」とかキーワードが飛び交っていた。  スヌーカさんは、そのテーブルに座っていた人びとにハワイのハングルースHang Loose(気楽にいこうよ)のハンドゼスチャーを教えていた。God Bless Him――.
斎藤文彦

斎藤文彦

文/斎藤文彦 イラスト/おはつ ※「フミ斎藤のプロレス講座」第68回 ※斎藤文彦さんへの質問メールは、こちら(https://nikkan-spa.jp/inquiry)に! 件名に「フミ斎藤のプロレス講座」と書いたうえで、お送りください。
1
2
3
4
おすすめ記事