ビュッフェのある「サイゼリヤ」、生演奏のジャズが聞ける「HUB」――チェーン店でありつつ独自サービスを行う店舗が増えている
1990年以降、共働き世帯の増加などで外食産業の存在意義が増した現在。しかし多くの産業同様、その反作用のようなかたちで消費者の好みが多様化し、画一的なメニューでコストを下げ、集客力を高めるという従来のチェーン店の強みが薄れつつあるのも事実だ。
たとえば、各店舗の店長に権限を与える「富士そば」は、店舗ごとに味やメニューが異なることでも有名だが、それら近年の飲食業界の趨勢が相まってか、都内にはありふれたチェーン店の看板を掲げながら、その店舗独自の限定的なイベントやサービスを実施する店舗が存在する。
本記事では、よくある店舗ごとの割引などではなく、意外性のある限定サービスを展開する飲食チェーンの店舗を紹介する。使い慣れたチェーン店特有の安心感がありながら、限定的な特別サービスを行うそれらの店舗は、まさに個人店とチェーン店良いところ取りとも言えそうだ。
●HUB浅草店(東京都台東区浅草1-12-2)
浅草は国際通りを脇に入ったところに店を構えているのが首都圏を中心にチェーン展開しているアイリッシュパブHUBの浅草店。この店舗は店内にドラムセットやグランドピアノを備えたステージが常設し、毎日ジャズライブがブッキングされている。
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一年を通して観光客で溢れる浅草だけに利用客は外国人も多いが、店内は通常店舗のHUBと同程度といった感じで、むしろ目立っていたのはその年齢層の高さだった。チラホラと30代らしき人の姿も見かけられたが、50~60代の客がほとんどで通常店舗とは大きく異なる。
1セット40分のジャズライブは日に3回行われ(19:20~20:00、20:30~21:10、21:40~22:20※日曜祭日は1時間前にずれるもよう)、通常の飲食代+1600円~2500円のチャージがかかる。バンドによってチャージは異なるようだが、一回入ってしまえば当日のライブセットは何回でも堪能できる。
一部のカクテルが半額になるHUBの通常サービス「ハッピーアワー」こそないが、手頃な値段で生ジャズを聴けるのは嬉しい限り。HUBのポイントカードは適応しているもようで、メニューには「フィッシュ&チップス」とオリジナルビールであるハブエールといったお馴染みの料理やアルコール類が並ぶ。
敷居の高さを感じることも多いジャズクラブだが、演奏中でもわいわいできるような肩肘張らない気楽さが魅力。よくジャズを知らない初心者から長年のジャズファンまで幅広く楽しめそうだ。
“チェーン店だから同じメニュー”はとっくの昔
1:毎日生演奏のジャズが聞けるHUB



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