学生時代、女装する私は周りにどう見られていたのか?――女装小説家・仙田学の追憶
大切な男友達が、ある日スカートを履いて待ち合わせ場所に現れたら、いつも通りに接することができるだろうか?
幸いにも、私はそんな友達に恵まれてきた。
前回の記事に書いたとおり、16歳の頃から、私は日常的に女装をしていて、母親は私の女装を全面的に面白がっていた。心置きなく女装を楽しめたのはそのおかげだ。
第8回 女装小説家 仙田学の「女のコより僕のほうが可愛いもんっ!!」
だが、親もとを離れて出会った人々は、私の女装をどう受け取っていたのだろう?
大阪芸術大学に進学してから出会った友人たちに、当時の僕の女装について訊いてみた。
Sさん「性別不明でおかっぱ頭で座敷わらしみたいな不思議な雰囲気があった」
当時は自分で髪を切っていて、ビートルズみたいな重めのマッシュにしていた。
ビートルズも座敷わらしの一種らしい。
Kくん「覚えてるのは、アナタと友達のA君で飛田の遊郭街を歩いてると、『女を連れてこんな所を歩くな』と野次られたと言う話を聞いたよ」
女装をしていなくても女性に間違われることも多かったようだ。
私の妹もこう言っている。
妹「料理屋に行ったとき、中居のおばちゃんに食事の間中、ずっとお姉さんと呼ばれてたね。家族全員否定しなかったけど、みんなでクスクス笑ってたよね」
そういえば、大学1年の夏に沖縄にひとり旅をしたときのこと。
海岸で夕陽を眺めていたら、隣にマッチョな青年が座ってきて、「きれいですね」と話しかけてきたことがある。
「そうですね」と返したら、驚いていた。地元の青年だとか。
しばらく世間話をしてから去っていった。
女の子と間違えてナンパしようとしたらしい、と気づいたのはその瞬間だ。
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ