物事が長続きしない理由。小池都知事に学ぶ「勢い」のつくり方とは?【魂が燃えるビジネス】
では、どうすれば物事に実現させるのに必要な「勢い」を生み出せるのか? 私がオススメしているのは「利他」です。自分のためにではなく、他人のために行動する。すると、そこから継続力が湧き上がってきます。
第4回の「ハリウッドセレブが破産するワケ」でもお話ししましたが、人間の欲望の器(うつわ)は、私たちの想像以上に小さくできています。ちょっとしたことで満足してしまうのです。
ビジネスで勢いが失われるのはいつか? それは「自分が満足したとき」です。他人から高く評価されたり、売り上げが伸びたりすると舞い上がってしまい、その瞬間からモチベーションが低下します。
これは食欲、睡眠欲といったほかの欲求と同じです。ご飯を食べたら、しばらくは食べたくなくなります。自分の願望が達成されると、人はそれに満足し、そこで止まってしまいます。このメカニズムこそ「うまくいきそうだったのに、勢いが失われてしまう」原因です。
しかし、こうした満足の限界はあくまでも「利己」に限ります。利他に関しては、その心配がほぼありません。
たとえば「売り上げを伸ばしたい」「営業成績でトップになりたい」といった利己的な願望だと、それを達成した時点で満足してしまいます。これは頂点に上り詰めたスポーツ選手などのインタビューを読んでも明らかです。彼らはその後、決定的なモチベーション低下に悩まされます。
しかし、「自分たちの商品やサービスで一人でも多く幸せにしたい」といった利他的な願望ならば、その心配はありません。なぜならこの世界には60億の人間がいるからです。自分たちの商品やサービスが60億人を幸せにするまで、そのビジネスは終わりません。
ちょっとスケールが大きすぎで実感がわかないかもしれませんが、これをリアルに実践しているのが、ソフトバンクの孫正義、ファーストリテイリングの柳井正、アップルのスティーブ・ジョブズといった経営者です。
彼らは情報インフラ、衣料品、スマートフォンと商品やサービスは違えど、それをできるだけ多くの人間に普及させようと考えています。だから、その勢いが止まらないのです。
「夢や目標は大きく持て」というアドバイスがあります。私たちはつい尻込みしてしまって、こじんまりしたスケールに収まってしまいがちです。でも、それこそが長続きしない、勢いが途中で失われてしまう理由です。
こうした自己啓発に関する記事を読む以上、あなたには夢や目標があると思います。ぜひそれを社会や他人、いや世界や人類をも巻き込むスケールに拡大してください。かえって、その方が「やってやる!!」というモチベーションを生み出してくれるでしょう。
【佐々木】
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中
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