ミスマガジン2004、SKE48/SDN48の元メンバーという経歴を持ち、今は現役グラビアアイドルとして活動しながら、グラドルたちが働くカフェの経営者でもある手束真知子。そんな“二足のわらじ”をはく彼女だから語れる「フリーランスアイドル論」とは……?
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「大赤字なので経営アドバイスをもらってきた!」第2回
グラビアアイドルをやりながらも経営者になってもうすぐ2年ですが、ほふく前進する思いで、なんとか毎日を乗り越えています。私が経営するお店「発掘!グラドル文化祭」はありがたいことに「知る人ぞ知る店」になりましたが、先日も一日のお客さんが2人で、売り上げがたったの6000円!! という大赤字の日もあり……。混む日と空く日の波の激しさに戦々恐々としていますよ。
お店を長く続けていくことって本当に大変だなぁと、しみじみ実感。そんな悩みを解決すべく、この連載では不定期で“先輩社長”に経営アドバイスをもらいにいっているわけです。
前回はAI開発をしている社長さんに話を聞きましたが、今回はその第2弾。アプリ開発から、さらに飲食店の運営までしている会社に行ってきましたよ!
今回お話をうかがったのは、株式会社ユニゾンベックスの長石尚徳社長です。もともとはグラフィックデザインから始まったこの会社ですが、現在はウェブ開発、ゲーム開発、アプリ開発、さらに飲食店舗運営まで行っているとか。
そんな長石社長はまず「お客さんの体験に付加価値を付けて、驚きと感動を生み出すことが大切」とおっしゃっていました。私のお店もまさにグラドルとの「体験」がキーワードになるので、そのあたりを詳しく聞いてお店に取り入れたら、お客さまの感動も増えてもっとお店が盛り上がるんじゃないかな!
「体験に付加価値を付ける」のって、どうすればいいの?
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【株式会社ユニゾンベックス】
設立:2003年
年商:4億円(グループ含む)
主な事業:ウェブ開発/コンサル業務、飲食店経営、自社開発アプリ&ウェブサービスの運営
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長石社長(左)と著者
真知子:経験に付加価値をつけるのって、具体的にはどのようなことなんですか?
長石さん:例えば、ウチの会社ではプロ野球チームのチケット販売アプリを作っているんです。ただ、単にチケットを買って試合に行くだけじゃ普通ですよね。野球っていつホームランが出るかわからないし、お客さんは試合をずっと見ていたいんですよ。だから観戦中に、アプリを使って飲み物や食事を席までデリバリーしてくれるサービスとか、あとはホームランが出るとアプリ内でオリジナルグッズが当たる抽選ができたりする仕組みを作っているところなんです。まだ開発中なんですけどね。
要は野球を見ることに加えて、ちょっとした遊び要素のある付加価値をつけたいんですよ。イベントやフェスでもゲーム感覚の付加価値があったらより楽しめますよね。
真知子:なるほど……そういう発想なんですね。
長石さん:あと、ウチでは「mogood」という、マッチングサービスもやっています。これは「おススメの飲食店をユーザー同士が紹介しあいながら飲み友達を探そう」ってコンセプトのアプリなんですが、言うならば「グルメ出会い系サービス」ですね(笑)。これも、単に出会うだけじゃなくて、本当に美味い隠れた店が見つけられたり、付加価値をつけるシステムを展開しているんです。単純にマッチングサービスだけじゃなくて、グルメブログを連動させたりとか、いろんなお店を楽しみながらマッチングもできるって世界観を作っているんですよ。
真知子:では、そういう付加価値をつけるって発想をグラドル文化祭で生かすとしたらどうなりますかね?すごく直球なんですが(笑)
長石さん:う~ん、お店に来ないとわからないものがあるといいですよね。例えば、お店のグラドルさんが写ったカードが置いてあって、それをもらった人しかわからない「秘密の内容」が書いてあるとか、パスワードが書いてあってそれを入れるとオリジナル画像がもらえるとか。
真知子:なるほど。それくらいなら導入できるかも。
長石さん:ちなみに、ウチがやっている三権茶屋のお店では同じドリンクを頼み続けると、お客さんには内緒でジョッキがどんどん大きくなっていくって仕掛けをしてるんですよ。1杯目は350mlのジョッキなのに、2杯目は500mlになって、3杯目は800mlになるんです。ほとんどのお客さんは2杯目までは大きくなっているのに気付かないんですが、3杯目で「なんだこれ!?」ってなるんです。単に無料にするよりも、そういうサプライズのほうが驚きがあっておもしろいと思うんですよね。実際にそれを友達に話したりして、口コミで情報が回ったりするんですよ。だからその「大きくなるサービス」はHPにも載せてないんです。
手束:へ~!なるほど!
長石さん:だから手束さんのお店なら、店内だからこそできるゲームとかがいっぱいあって、それが噂になって広まっていけば面白いと思うんですよね。へたにシステムを使うより手作りでみんなで楽しめるほうが、手束さんのお店には合うと思いますよ。