映画『民生ボーイと狂わせガール』原作者の渋谷直角 最新作『さよならアメリカ』が始動!! 第1話を無料公開
9月16日から公開される映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』の原作者・渋谷直角氏が、週刊SPA!9月12日号より最新作『さよならアメリカ』を短期集中連載開始。新作にかける思いを聞いた。
まず、最新作のテーマをアメリカにしようと思った理由とは?
「毎回、タイトルを決めてからストーリーが決まるってタイプなので、何を描く?ってときにこのタイトルが降りてきたんです。あとはもちろんいまの時流もあり、(ああ、たしかに……)(いけるかも)みたいな気持ちになりました」
いつも『描きたいな』、もしくは『読みたいな』と思って、『でも本屋にそういうマンガ売ってないな』という作品を描こうというのがモチベーションになっているという渋谷氏。
「今回はその『アメリカかぶれな感じ』のマンガが読みたかったっていうのがありました。タイトルはもちろん、はっぴぃえんどの『さよならアメリカさよならニッポン』という曲が元ネタなんですけど、メンバーの松本隆さんが『自分たちはアメリカでもニッポンでもなく、中間のところで漂ってる、自分たちがやってるのはアメリカでも日本でもなく混沌としている』というような思いが込もってる、みたいなことがwikiに書いてあって、それも自分的に結構染み入ったというか、受け取り方はぜんぜん違うんだろうけど、響くものがありました」
「アメリカは変わってしまった」というモノローグからはじまる本作だが、自分自身のアメリカに対する思いにも変化はあったのだろうか?
「親が昔、アメリカの雑貨とか家具を売ってた店をちょっとの期間やっていたので、普通に『アメリカ的なもの』がある、っていう環境で育ってきました。なのでもちろん憧れはあるし、嫌いになったときもあったし、今のアメリカを取り巻くものに寂しいものを感じるときもあります」
長編漫画は今回で4作目。その間、漫画執筆への意識に変化はあったのだろうか。
「意識はそんなに変わってないです。毎回『もっと上手に描けるつもりで描いたんだけど……』って思ってます(笑)」
最後に、新作のなかで新しく挑戦したいことは?
「元のはっぴぃえんどの曲が、すごくシンプルというかミニマルな曲なので、その感じを、僕もマンガにしたいな、って思っています。自分的にあまり過剰じゃない感じ。でもどうなるかわからないですね。あんまり設計図書かずにやろう、ということに挑戦してるのかもしれないです。結構先になってしまうかもしれませんが、単行本になったら大友克洋先生の『さよならにっぽん』の隣に自分の本を並べるのが夢です」
常に時代の空気、カルチャーの背景を執拗なほど詳細に描き込みながら、登場人物たちの自意識の葛藤を描いてきた渋谷氏。細部の描き込みはそのままに、より普遍的なテーマを描いてくれそうな最新作の今後に期待したい。
⇒『さよならアメリカ』第1話を無料公開
【渋谷直角】
マンガやコラムを執筆。新刊『コラムの王子様(42さい)』(文藝春秋)、『デザイナー渋井直人の休日』(宝島社)発売中
★9月16日より全国公開!
『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』
渋谷直角原作の漫画を、主人公・妻夫木聡、ヒロイン・水原希子、監督・大根仁の最強タッグで映画化。奥田民生に憧れる雑誌編集者・コーロキが、超絶美人のファッションプレス・天海あかりにひとめぼれ。恋に仕事に翻弄されながら、カッコいい大人を目指し、SPA!読者にはなじみ深い、リリー・フランキーや松尾スズキの好演にも注目だ。
取材・文/日刊SPA!編集部
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