ウルフパックが伝説をつくります――フミ斎藤のプロレス読本#102【ショーン・ウォルトマン編エピソード2】
1972年生まれのショーンは、ちいさいころからビデオデッキという武器を使いこなしていた。アメリカじゅうのペンパル(マニア仲間)から送られてくる、3倍速モードで録画されたVHSビデオには知らないところの知らないプロレスが映っていた。
同い年のナッシュとホールが親友になったのは、いっしょにたくさんの旅をしたからだった。ホールとショーンは1日じゅうプロレスについて語り合いながら兄弟のように過ごし、ナッシュはいつもすぐよこでふたりのはなしに耳を傾けていた。
WWE在籍時代は、同じ部屋に必ずショーン・マイケルズとハンター・ハースト・ヘルムスリー(トリプルH)もいた。あんまり試合が下手クソだったので、みんなでいっしょに“ディーゼル”にプロレスのリズムをコーチしたこともあった。
ウルフパックは、あくまでも3人いっしょでウルフパック。デカイのがいて、頭のキレるのがいて、すばしっこいのがいる。
ホールとショーンはプロレスさえあれば幸せで、ナッシュは何事にもクール。ウルフパックのパックは“荷物”を意味する。
“荷物”の中身はレスリング、旅、少年の心、男の友情、歯ブラシなど、である。
※文中敬称略
※この連載は月~金で毎日更新されます
文/斎藤文彦
―[フミ斎藤のプロレス読本]―
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