ユニクロU・2017年秋冬ベスト5「1位は本家なら10万近いセーターが3990円」
―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第147回目をよろしくお願いします。
9月29日から発売されたエルメスのデザイナー「クリストフルメール」とユニクロのコラボライン「Uniqlo U/ユニクロユー」。アパレル関係者も並んで買うほどの格安極上・高コスパアイテムたち。今回はラインナップの中でも特にオススメな5品をピックしました。
▼5位:これを着用するとビンビンにおっ立つんです
●スウェットプルパーカ(長袖) 3990円(+税)
これを着用するとありえないくらいギンギンに立ち上がります!! えっ、何がって? もちろんフードの話です。皆さんパーカーのシルエットの良さはどこで決まると思いますか。カッコのいいパーカーは一体ほかと何が違うのか?
むろん、それは袖の細さであったり、素材感、基本的なデザインもあるでしょう。しかしもっとも大きな要素は「フードの立ち上がり」なのです。フードにボリューム感があり、立ち上がる形状になっているほどパーカーはサマに見えます。
なぜか? それは首回り・顔まわりにボリューム感があると対比効果で小顔に見えるから。顔や頭の大きさは手足の長さを測る基準です。私たちは無意識に顔の大きさでその人の手足の長さ、スタイルの良さを決めています。つまり「顔が小さく見えること」と「洋服が似合うこと」は実は直結しています。
「じゃあ頭の大きな俺はスタイル悪く見えるってこと?」と思われた方も大丈夫。日本人はだいたい頭が大きいものです。だからこそ欧米人のようにカッコよく見せるには工夫が必要なのです。それが「顔まわりのボリューム」というわけ。
このパーカー一度袖を通してみてください。驚くほどビンビンにギンギンにフードが立ち上がり、不思議なくらいスタイルがよく見えます。フードは肉感をつければ重くなり寝てしまうわけで意外と「立たせる」ためには技術が必要、今回ユニクロUは見事に「ギンギンに立つフード」を出してくれました。お見事。
▼4位:素材に落ち感を加えて「40歳でも着用できるビッグシルエット」に
●ウールブレンドチェスターコート+E 1万2900円(+税)
過去にもユニクロUラインでチェスターコートは何型かリリースしていますが、今回素材に妙に気合が入っています。素材に重みのあるウールポリ素材を使い「落ち感」をつけています。
このコート、いま流行りの「ビッグサイズ」。ビッグサイズと聞くと「40歳すぎた俺には無理かな」と思うかもしれませんが、「落ち感のある素材」だと話は異なります。ビッグサイズでも素材に重みがあるぶん、ゴワゴワせずストンと落ちたようなキレイなシルエットになるのが特徴。
ビッグサイズで体のラインを隠しつつ、かつ大きめサイズだからといってだらしない印象にもならない。この素材のチョイスは完璧です。
ただ一点。ボタンがちょっと安っぽい。これさえクリアできれば200点満点でした。
▼3位:襟の高さだけでこんなにも印象は変わるのです
●オーバーサイズモックネックT(長袖)+E 1990円(+税)
「なんじゃこりゃ……よくあるスウェットやロンTじゃん」と思われた方、ぜひ袖を通してみてください。ポイントは「ハイネック」「袖先の細さ」です。
スウェットやロンTなど、野暮ったくガキンチョなイメージもあるでしょう。しかしハイネックとなると話は別です。襟が高い服はドレスライクな印象を与えてくれます。ドレススタイルでは必ず「襟が高い」服を使います。シャツしかりタートルネックしかり。
こちらはデザインとしては色むらのあるヴィンテージライクなTシャツの「襟を高くした」だけなのですが、襟が高いだけでこんなにも大人っぽい表情になるのです。これは試着してほしい。高さがあるだけでこんなにも大人な印象になることがわかります。タートルはチクチクして嫌だという人もこのくらいのハイネックなら許容範囲でしょう。
またゆったりサイズなのですが袖先が細くテーパードしているのもポイント。ゆったりサイズでも先端が細いとスッキリとした印象に見えるものです。こちら体型がユルくなってきた中年にこそオススメ。楽に着用できるのになぜかスッキリ見える。その秘密は袖先の細さにあるのです。
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ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)
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