“魔法のじゅうたん”のランチの献立はチャーハンと餃子――フミ斎藤のプロレス読本#125【ECW編エピソード17】
はじめのうちは片道8時間くらいかかっていたフィラデルフィアへのロード・トリップも、慣れてきたら6時間ちょっとで完走できるようになった。
ほんとうは飛行機ですいすい移動したほうがずっと時間をセーブできるし、そのほうが長距離ドライブよりも体にはやさしい。それにクルーズマスターという車種はしこたまガソリンを食う。ランシングと東海岸エリアの往復に使うガソリン代と国内線の飛行機のチケット代はそんなに変わらない。
スーツケースひとつで世界じゅうを旅できるのがプロレスラーの特権――それはどちらかといえば“快適な空の旅”を想定した場合だろう――ということになってはいるけれど、サブゥーは“飛行機派”ではなく“魔法のじゅうたん派”。
サブゥーとミブゥーは、スーツケースどころか日常生活のアイテムいっさいがっさいをモービルホームに積んでアメリカじゅうを走っている。
運転席に座っているのがサブゥーで、助手席に座るのがミブゥー。次に車を停めた場所がリビングルームになる。“魔法のじゅうたん”に乗っかっていればどこへでも行けちゃう。
もちろん、ランシングにはサブゥー、ミブゥー、サブゥーの母イヴァさんが3人で暮らしているちいさめの一軒家がちゃんとある。
モービルホームはモービルホームで、ミシガンのお城はミシガンのお城。母親思いの息子は1日に2回ずつ携帯電話からイヴァさんに連絡を入れる。サブゥーの母上は体があまり丈夫ではない。
ヒトミだったころのミブゥーは、家のなかのことなんてなんにもやらない子だった。だから、お料理の作り方は全部、オリジナル。
ボーイズにチャーハンと餃子を食べさせたあとは、お片づけと夕食の準備がはじまった。
※文中敬称略
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文/斎藤文彦
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