友人から返答に困る内容の話を振られたら爆笑で返せ――鳥飼茜×柴田聡子のお悩み相談
10月末日、阿佐ヶ谷ロフトAで、漫画家・鳥飼茜の『ロマンス暴風域』、『先生の白い噓』(講談社)、『鳥飼茜の地獄でガールズトーク』(祥伝社)の3冊同時発売を記念して、シンガーソングライターの柴田聡子を招いてのトークショーを開催した。
台風接近による悪天候の中でも、会場は満員御礼。トークショーの後半では、20代~30代から寄せられたリアルな悩みに対して、2人が切れ味鋭い考察と回答が続出。果たして、各シチュエーションにおける正しい振る舞いとは?
――最初の相談は、39歳の男性会社員の方からです。「情緒不安定な彼女と付き合っていて、ほぼ毎日暴れます。口を出すのも厚かましいと思ってほったからしているのですが、この先結婚を考えるとこのままではお互い良くないと思っています。どうすればいいでしょう?」とのことですが。
鳥飼:ばっさり斬ってしまえば、別れた方がいいと思う。「このままでは良くないと思う」って言ってる時点で、自分の中で答えは出てる感じがする。柴田さんはどう思う?
柴田:私は人に「別れなよ」とか言うのも言われるのも苦手だから、別れた方がいいとは言えない! けど、“バランスが悪い”感じがするかな。何事も“陰と陽”みたいにバランスだと思うんだけど、タイミングあってない。
鳥飼:それだ! 情緒不安定な彼女なんじゃなくて、彼女が情緒不安定なタイミングなのかもしれないね。男性の方にも、年齢と結婚を考えていて、不安定な彼女を受け入れられる余裕が物理的にないんじゃないかと思う。“嫁っぽい女性”を求めてしまっているのかもしれないし。
柴田:あとこれ、もしかしたら「不安定な彼女を置いて去る僕ってひどいやつなんじゃないか」っていう話なのかな。
鳥飼:誰しもそうだけど、“いい人と思われたい”っていうことなのかもね。でも、情緒不安定な彼女と付き合って、“いい人”のままできれいに終わることは絶対できないと思う(笑)
――続いては30歳の主婦の方です。「私は21歳で結婚し、5歳になる子供がいます。独身の友人から『結婚できるか不安。子供も欲しいし……』と相談されることがあるのですが、これまでは『まだ30歳だし』とか『急ぐものでもないよ』と返していたものの、そろそろ説得力が無くなってきました。良い返しを教えてください」とのこと。独身の方に対する既婚者からの励ましの言葉って難しいですよね。
鳥飼:「結婚をして子供もいる盤石の立場から言うんじゃねえよ」みたいな感じになっちゃうんですかね。不安かあ……。
柴田:不安って、一番どうしようもないよね。本当に難しい。
鳥飼:そうだよね。自分で取り除けないもんね。「誰か紹介してほしい」みたいな話だったら簡単なんだろうけど。いっそもう触れないほうがいい……?
柴田:それも相手からしたら気を使わせてる感じがしちゃうよねえ。
鳥飼:子供の話って結構デリケートだよね。欲しくてもできない人からしたら「子供育てるの大変だよ~」みたいなのも思うところがあるかもしれないし。「そんなのいちいち慮ってられるかよ」って言えたら本当は楽なんだろうけど。相手の気持ちを考えすぎて、邪推しないほうがいいとは思う。
柴田:素直にそのとき思ったことを言うのがいいのかな。
鳥飼:うん。変に忖度をすると変にこじれることの方が私は多いし。でも“返し”かあ……。
柴田:……爆笑とか?
鳥飼:爆笑!?
柴田:深刻であればあるほど「(ハイテンションで)マジかあ~!?」みたいな友達が欲しいんですよ、私。「それ手に負えんわ~!」みたいな感じ。私自身も何も言えない重いのがきたときには爆笑するようにしてる。
鳥飼:それいい! 誰も傷つかないし。
柴田:それ以降連絡ない人もいるけど(笑)
会場:爆笑
鳥飼:30歳過ぎたら女友達は消える説あるよ。渾身の「マジかあ~!?」をやってもやらなくても消える人は消えちゃう。けど30代を過ぎて50歳くらいになったらまた戻ってくるんじゃないかな。
――逆に、「『結婚しないの?』に対する、負け惜しみのようにならない『結婚しないんじゃなくて、したくないないからしない』の言い方は?』という29歳女性からの相談も寄せられました。
鳥飼:全然負け惜しみだと思わないし、むしろ羨望のまなざしを向けられてるのかなと思うけど。あえて言うなら「私、向いてないと思うんだよね~」でいい。
柴田:美しい回答。ブレイクスルーだ。
鳥飼:それでもまだごちゃごちゃ言ってくる人がいたら、その人に結婚に最適な人を紹介してもらえばいい。
恋愛は人ではなくタイミング
「結婚できるか不安……」という相談には爆笑で返す
1
2
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ