ブルさん、オサム、シンザキーのニューヨーク物語――フミ斎藤のプロレス読本#137[ガールズはガールズ編エピソード7]
隔週土曜の夜にはECWアリーナで定期戦がある。フィラデルフィアだったら車でも電車でも行ける。マンハッタンに住んでいるアメリカ人のボーイズとレンタカーを相乗りしていってもいい。クインズやブルックリンでは毎週、ウィークエンドになると怪しげなインディー系のショーがある。
白使HAKUSHIに変身した新崎人生も、もうすぐニューヨークでの生活をはじめる。ブルさんもニシムーラもジンセイ・シンザーキも、ニューヨークだけれどトーキョーにもちょっと似ていて、やっぱりニューヨークの空間に身を置きはじめている。
映画の名場面に登場したロケーションがたくさんある。ウォール街があって、ブロードウェイがあって、エンパイヤステートビルディングがあって、自由の女神が遠くにみえて、ジョン・レノンが暗殺された街。プロレスだったらマディソン・スクウェア・ガーデンである。
ニューヨーク・ニューヨークは遠い外国の街ではない。ここで暮らそう、と思ったときからだれでもニューヨーカーになれる。ブルさんがニューヨークを好きになった瞬間から、街は“ブルさんの愛するニューヨーク”になった。
ブルさんは、なにかそういうものをみつけたくて、ひとりで群れを離れた。群れを離れたって、やっぱり羽を休めるところは欲しい――。
※文中敬称略
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文/斎藤文彦
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