更新日:2022年10月29日 01:45
スポーツ

ブルさん、オサム、シンザキーのニューヨーク物語――フミ斎藤のプロレス読本#137[ガールズはガールズ編エピソード7]

 隔週土曜の夜にはECWアリーナで定期戦がある。フィラデルフィアだったら車でも電車でも行ける。マンハッタンに住んでいるアメリカ人のボーイズとレンタカーを相乗りしていってもいい。クインズやブルックリンでは毎週、ウィークエンドになると怪しげなインディー系のショーがある。  白使HAKUSHIに変身した新崎人生も、もうすぐニューヨークでの生活をはじめる。ブルさんもニシムーラもジンセイ・シンザーキも、ニューヨークだけれどトーキョーにもちょっと似ていて、やっぱりニューヨークの空間に身を置きはじめている。  映画の名場面に登場したロケーションがたくさんある。ウォール街があって、ブロードウェイがあって、エンパイヤステートビルディングがあって、自由の女神が遠くにみえて、ジョン・レノンが暗殺された街。プロレスだったらマディソン・スクウェア・ガーデンである。  ニューヨーク・ニューヨークは遠い外国の街ではない。ここで暮らそう、と思ったときからだれでもニューヨーカーになれる。ブルさんがニューヨークを好きになった瞬間から、街は“ブルさんの愛するニューヨーク”になった。  ブルさんは、なにかそういうものをみつけたくて、ひとりで群れを離れた。群れを離れたって、やっぱり羽を休めるところは欲しい――。 ※文中敬称略 ※この連載は月~金で毎日更新されます 文/斎藤文彦
1
2
※斎藤文彦さんへの質問メールは、こちら(https://nikkan-spa.jp/inquiry)に! 件名に「フミ斎藤のプロレス読本」と書いたうえで、お送りください。
おすすめ記事