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中年の2割は「自虐うつ」予備軍 真面目な人ほど要注意

うつにも似た症状で無気力になり、社会生活を放棄してしまう自虐うつ。あえて不健康や不摂生な生活を送ってしまい、最後には汚部屋から孤独死へと突き進むという。これまでの経歴や人間関係など生きてきた証しまで傷つけ、なぜ自暴自棄になってしまうのか。そんな誰もが簡単に陥ってしまいがちな心の闇に迫る!

中年の約2割が予備軍! 自虐うつになりやすい人は?

自虐うつ ゴミ屋敷や孤独死というと「だらしない人」とのイメージを抱くが、実は真面目な印象を周囲に与えている人ほど自虐うつに陥りやすい。精神科医の春日武彦氏は、その特徴を以下のように説明する。 「まず『失敗したくない』『恥をかきたくない』という思いが強く、地味で目立たないポジションを好む人。ただし、本質的に地味な人ではないので、趣味嗜好のこだわりや自分なりのルールが強固で、話してみると理屈っぽい。心を開ける友人や知人は少なく、どちらかというと潔癖でネット上でも聖人君子を気取っている。こうした人が挫折を味わうと、被害者意識から豹変しやすいです」  社会が複雑化する中で、このように地味に見えて自己愛が強く、保守的な人間が増えている。春日氏は「中年男性の約2割は自虐うつの予備軍」とさえ語る。その中でも「シビアな現実に対して許容範囲が狭い人はリスクが大きい」と産業医の武神健之氏は言う。 「仕事でも家庭でも、うまくいかなかったときに目標を調整できる人は大丈夫。一方で、目標や理想像に揺るぎがなく、神経質で融通の利かない人は危ない。例えば、自分をエリートだと思い込んでいる人、見えっ張りな人、イジられるとキレる人など。また、年下への嫉妬心に燃え、情報や技術を自分で独占し、仕事の効率を悪くしているような人も危険です」  ただ、自虐うつとはわかっていても無意識に陥ってしまうものだ。 「普段から弱みを見せられる友人や場所をつくっておくべき。居酒屋でもカウンセリングでもいい。話すことで自己愛を相対化し、不満が自暴自棄に向かう前に小出しに発散することが大切です」  下表は「自虐うつ」になりやすい人の特徴。当てはまるかどうかチェックしてみよう。 <「自虐うつ」チェック項目> ・恥をかくことが嫌いで、地味で責任のないポジションを好んでいる ・趣味嗜好のこだわりが強く、生活や仕事に自分ルールを作っている ・身だしなみは小奇麗で、知的で理屈っぽい人物を演出している ・ネット上でもネガティブ発言をせず、聖人君子を貫いている ・家や車などローンで高い買い物をして、生活を圧迫している ・自分からいじるのはOKでも、他人からいじられるのは嫌だ ・飲んでも愚痴をこぼさず、他人に弱みを見せることを嫌う節がある  上記のうち5つ以上該当する人は要注意。自暴自棄になりそうになったら、誰かに弱みを見せて、悩みを打ち開けてみよう。 【春日武彦氏】 精神科医。都立墨東病院精神科部長などを経て、成仁病院顧問。著書に『なぜあの人は平気であなたを傷つけるのか』(宝島社)、『自己愛な人たち』(講談社現代新書) 【武神健之氏】 産業医・医学博士。一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。これまで20以上の企業で年間1000件、延べ1万件以上の相談を受け、職場の健康管理のサポートに努める 取材・文・撮影/奧窪優木 高島昌俊 仲田マイ 宮下浩純 撮影/西田 航(WATAROCK) 高橋宏幸 ― 死を招く[自虐うつ]の正体 ―
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